JR西日本は2025年7月16日、プレスリリースにて2026年春をもって専用クレジットカードJ-WESTカードによるeきっぷ・eチケットレス特急券を廃止すると公表した。今回はこれについて見ていく。
J-WESTカードeチケットレス特急券廃止へ!
今回の2026年3月JR西日本・JR四国価格改定では、JR西日本が発行する専用クレジットカードJ-WESTカードによるeチケットレス特急券を廃止する。
eチケットレス特急券はネット予約e5489から専用クレジットカードJ-WESTカードで申込できる在来線特急列車向け格安商品である。
ただJ-WESTカードでなくても前日までであれば大阪近郊の特急列車であればJ-WESTチケットレス(名前は紛らわしいがJ-WESTカードを持っていなくても購入できる)の方が安かったりするので影響は少なくて済みそうだが。
山陽九州新幹線eきっぷ廃止へ!
今回の2026年3月JR西日本・JR九州価格改定では、JR西日本が発行する専用クレジットカードJ-WESTカードによるeきっぷを廃止する。
eきっぷはネット予約e5489から専用クレジットカードJ-WESTカードで申込できる山陽新幹線向け格安商品である。もともとJR西日本が大阪府~福岡県間の航空機需要を奪いたいのと、クレジットカード新規登録を促すために設定したものだ。
もともと山陽新幹線新大阪~博多間で通常のきっぷで購入する指定席新幹線特急券より1,500円程度安く設定していたほか、2023年4月1日の山陽新幹線「のぞみ」「みずほ」の最大430円値上げでもeきっぷは価格を変えなかったことから2,000円程度も安くなっていた時期があった。
が、2023年10月1日eきっぷ価格改定で大幅値上げ、指定席でも通常のきっぷで買う時と200円程度しか変わらなくなってしまった。どうやらエクスプレス予約のEX-ICやスマートEXによるICカード乗車に移行したいようだ。
そんな大して安くなくなったeきっぷを今回の2026年3月JR西日本・JR九州価格改定で廃止することとした。
救済としてJ-WESTカード会員専用のWESTERポイントきっぷとしてWESTERポイント超特典きっぷやWESTERポイント山陽新幹線フリーパスなどの割安商品を発売する。いずれも山陽新幹線は圧倒的に本数の多い「のぞみ」や各駅停車が多い「ひかり」、全駅停車の「こだま」が利用可能で、予約が取りにくい短い8両編成の「みずほ」「さくら」は利用できない。山陽新幹線内では「のぞみ」「ひかり」「こだま」が空いているのでそちらを利用してほしいということだろう。
今後はEX早特28/21/7などの早売り商品で安価な商品を提供するようだ。
なぜJ-WESTカード専用商品を縮小するに至ったのか!
ではなぜ今回の2026年3月JR西日本・JR四国・JR九州価格改定で専用クレジットカードJ-WESTカードによるeきっぷやeチケットレス特急券を廃止するに至ったのか。
2020年から大幅な旅客減で鉄道各社とも苦戦を強いられており、2022年より各社で運賃値上げを実施している。JR西日本でも認可が必要なく届出だけで値上げ可能な在来線特急料金を2023年4月1日に値上げし割安なB特急料金を廃止しているほか、2022年3月12日以降のダイヤ改正で在来線特急を全車指定席化することで実質値上げを図っている。
またJR西日本は社長会見で運賃値上げを示唆していることから今後手間のかかる認可の必要な運賃値上げや山陽新幹線新幹線特急料金を値上げしてもおかしくはない。
また国土交通省への運賃変更認可に際し大阪電車特定区間を拡大する際に、2025年4月1日から2028年3月31日までの期限付きとしているのだ。鉄道駅バリアフリー料金制度10円加算が徴収できる大阪電車特定区間を3年後に縮小し減収を図るとは思えない。そう考えると2028年4月1日にJR西日本全線で運賃値上げ、JR東日本同様電車特定区間を廃止するのではないだろうか。
が、地元の電車も含め運賃値上げをするとなるとそれまでに価格が安く済んでいるものを上限ギリギリまで値上げしてから運賃を値上げしてほしいところだろうし、国土交通省も運賃や新幹線特急料金の値上げを認可申請するのに際し割引商品の値上げや不要な列車の減便を求めているようだ。今回のJ-WESTカードによる割引商品廃止も将来的な運賃値上げを見据えたものではないだろうか。
結び
今回の2026年3月JR西日本・JR四国・JR九州価格改定では、専用クレジットカードJ-WESTカードによるお得な商品eきっぷやeチケットレス特急券を廃止するに至った。
またJR西日本では2028年4月1日をめどに全線で運賃値上げを図る可能性がある。
今後JR西日本で山陽新幹線をどのように扱っていくのか、見守ってゆきたい。
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