2日間3,900円のJR東海夏の乗り放題パス発売で東京~名古屋・京都・大阪間の利用で打倒青春18きっぷ! JR東海おトクなきっぷ設定(2025年7月~9月)

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2日間3,900円のJR東海夏の乗り放題パス発売で打倒青春18きっぷ! JR東海おトクなきっぷ設定(2025年7月~9月)

JR東海は2025年6月20日、プレスリリースにて2025年7月~9月に新たな周遊きっぷJR東海☆夏の乗り放題きっぷを発売すると公表した。今回はこれについて見ていく。

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JR東海で普通列車限定のおとくなきっぷ発売へ!

今回の2025年7月JR東海おとくなきっぷ設定では、新たなおとくなきっぷを発売することとした。

今回発売するのはJR東海☆夏の乗り放題きっぷで、JR東海管内全線の快速を含む普通列車が曜日に限らず3日間連続で乗り放題になる。なお新幹線特急券や特急券を組み合わせても東海道新幹線や在来線特急列車に乗車することはできない。また快速みえが乗り入れる伊勢鉄道を利用する際には別途伊勢鉄道の運賃が必要となる。

利用期間は2025年7月19日~9月10日まででお盆の繁忙期でも発売する。ネット予約e5489で、エクスプレス予約またはスマートEXなどでのEXサービスで東海道新幹線熱海~米原間のいずれかの駅を着駅目的地とする券を購入した際にのみ発売する(ただしJR東海ツアーズなどによる宿泊パックを除く)。

1枚当たり大人3,900円、こども1,900円となる。ただし購入にはEXサービスまたはスマートEXの利用が必須であることから、JR東海☆夏の乗り放題きっぷのきっぷ代のほかに最安でも熱海~三島間の東海道新幹線自由席利用1,200円が必要になる。このため最安大人5,100円と言えそうだ。またこの意図からもエリア外民にも熱海や米原まで自社線である東海道新幹線できてほしいという願いが込められているのだろう。




JR東海☆夏の乗り放題きっぷで打倒青春18きっぷ!

今回の2025年7月JR東海おとくなきっぷ設定で新設したJR東海☆夏の乗り放題きっぷであるが、なぜ設定したのだろうか。

同じく別途新幹線特急券や特急券と組み合わせても新幹線や在来線特急が利用できないものに青春18きっぷがあるほか、同じくJR東海管内普通列車乗り放題のほか特急券を購入すれば在来線特急のほか東海道新幹線「ひかり」「こだま」にも乗れるJR東海☆夏の乗り放題きっぷがある。またJR東海は5県程度にしかエリアがまたがっておらず通常の休日でも乗り放題パス2枚分のエリアの広さしかないためそれぞれを比較していこう。

JR各社お得なきっぷ比較
きっぷ名称 有効期間 価格 利用可能エリア 発売箇所 発売時期
青春18きっぷ3日用 3日間 10,000円 JR6社全線の普通列車 みどりの窓口や指定席券売機で発売 春夏冬の3シーズンで発売
青春18きっぷ5日用 5日間 12,050円 JR6社全線の普通列車 みどりの窓口や指定席券売機で発売 春夏冬の3シーズンで発売
JR東海☆夏の乗り放題きっぷ 2日間 実質5,100円~ JR東海全線の普通列車 スマートEX購入後ネット予約e5489でのみ発売 とりあえず2025年夏のみ発売
JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ 2日間 8,620円 JR東海全線の普通列車 スマートEX購入後ネット予約e5489でのみ発売 通年の土休日とその翌日のうち2日間
休日乗り放題きっぷ 1日間 2,720円 JR東海のうち静岡県内・山梨県内を中心とした普通列車、特急券購入で在来線特急利用可能 JR全線きっぷうりばなど 通年の土休日
青空フリーパス 1日間 2,620円 JR東海のうち愛知県内、岐阜県南部、三重県北部を中心としたの普通列車、特急券購入で在来線特急利用可能 JR全線きっぷうりばなど 通年の土休日
東日本のんびりパス 3日間 9,000円 JR東日本全線の普通列車 ネット予約えきねっとのみで発売 最繁忙期を除く通年を見込む
西日本どこまで4DAYS 4日間 9,800円 JR西日本全線の普通列車、別途特急券購入で在来線特急に乗車可能 ネット予約e5489のみ 1か月間のみ発売、再発売予定なし




こう見ると、今回発売するJR東海☆夏の乗り放題きっぷはEXサービス利用でネット予約e5489から予約購入しないといけないなど購入手法を煩雑にすることで各社恒例の下位20%の境界知能と日本国で定めている低民度排除政策を図っている。まあ3,900円のチケット1枚売れても民度が低いやからのせいで清掃費用などの対策費用が増えて3,900円を超したら赤字で意味がない。このため下位20%の低民度排除政策は有効である。

が、JR東海☆夏の乗り放題きっぷの有効エリア内であるJR東海全線はJR東日本やJR西日本と比べるとエリアがせまい。このため通年土休日使えてJR全線きっぷうりばのある駅で買える乗り放題パスである休日乗り放題きっぷや青空フリーきっぷ、そして土休日および翌日のうち連続2日間で利用できるJR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷで代替が効いてしまう。これを踏まえると、別にJR東海☆夏の乗り放題きっぷでなくてもいくらでもほかのきっぷで代替ができるといえよう。

そう考えると今回発売するJR東海☆夏の乗り放題きっぷは既存のJR東海エリア内にきっぷではなく、青春18きっぷの代替をねらっているといえよう。




JR東海☆夏の乗り放題きっぷは青春18きっぷよりどれくらい安いのか!

そもそも青春18きっぷでは連続3日用でも10,000円かかる。1泊2日で往復する場合、1万円より安ければお得で使い勝手がいいと言えるだろう。

では今回発売するJR東海☆夏の乗り放題きっぷで東京~名古屋・京都・大阪間の移動がどのように安くなるのか、見ていこう。




東京~名古屋・岐阜・伊勢神宮間往復は最安6,887円からで1万円切り!

まず東京~名古屋・岐阜間での往復はどうか。

JR東海☆夏の乗り放題きっぷの特性上、着駅を東海道新幹線熱海~米原間とするEXサービスを使わないといけないことから、行きにエリア内に入る際に使うことになるだろう。もし名古屋から横浜・東京に往復する際は帰りにはなるが。

そもそも東京に出るにも新宿に出るにも東京都内や千葉県、埼玉県であればほとんど運賃が変わらないはずである。このため東京23区内から安さを求めて移動するならJR東海道線ではなく小田急小田原線を使うだろう。が、行きに東海道新幹線に乗る必要があることから新松田のりかえ御殿場線利用が使えず東海道新幹線の停車する小田原まで行かなくてはならない。このとき小田急新宿~小田原間はIC901円となり、東京~小田原間のJR東海道線IC1,518円より600円以上安くつく。

また東海道新幹線小田原~熱海間のスマートEX自由席は1,290円かかる。

名古屋→東京方面へはエリア外利用について御殿場線松田のりかえ小田急小田原線利用が使える。ただ東海道線小田原駅利用と比べ1時間余計にかかるため、コスパを考えたらJR東日本東海道線熱海~小田原間をのりこし、小田原~新宿間を小田急小田原線で行った方が良い。なお小田急新宿~新松田間の運賃はIC796円、小田急新宿~小田原のりかえ~熱海間はIC1,319円となる。

かくしてJR東海☆夏の乗り放題きっぷ3,900円のほか、スマートEXや小田急線運賃もろもろ込みで東京~名古屋間往復は最安6,887円からできる。かえりに小田原までJR東海道線を使っても7,410円で移動できる。普通乗車券で東京~名古屋間片道6,380円、往復12,760円かかり青春18きっぷでも1万円かかるところ、往復6,887円~7,410円とは安値だろう。

余談だが横浜~小田原間は最安の相鉄・小田急に両でIC796円、JR東海道線でIC990円とし、横浜~熱海間はJR東海道線でIC1,342円と小田急新宿発着とほとんど運賃が変わらない。このため横浜から利用する際も小田急新宿発着とほぼ同額として見てほしい。




東京~京都間往復は最安8,382円からで1万円切り!

ついで東京~京都間。米原~京都間のEX早特1自由席が使えるため、京都駅を目的地とするときはEX早特1の自由席利用が安いし前日までほぼ間違いなく購入できる(ただし8月10日~8月19日の多客期の発売はない)。このとき米原~京都間のEX早特1を1,720円で購入できる。JR西日本琵琶湖線新快速も速いので捨てがたいが、1,170円かかり東海道新幹線と差額550円しかないことを考えるとここでEXサービス条件を使った方が安価に移動できる。

このとき最安解を求めると東京側は小田急新宿~新松田間IC796円の往復で済むため、かくしてJR東海☆夏の乗り放題きっぷ3,900円のほか、スマートEXや小田急線運賃もろもろ込みでclass=”bold-red”>東京~京都間往復は最安8,382円からできる。もっとも御殿場線松田経由では時間がかかるということで小田原経由にしたいのであれば片道当たり523円増え、往復小田原経由とすると9,428円となる。青春18きっぷ連続3日券1万円よりかは安く済むが、数百円しか変わらないとなるとわわお得感が薄れると言っていいだろう。




東京~大阪間往復は最安9,242円からで1万円切り!

最後に東京~大阪間。京都~大阪間でJR西日本新快速を利用すれば片道580円で行けるので東京~京都間の価格に往復1,160円足せばいい。

のだが、最安解を求めるとなると京都駅から徒歩15分の京阪七条駅と大阪駅から徒歩10分の京阪大江橋駅または徒歩15分の淀屋橋駅を使って京阪電車を使うとたった430円で移動できる。このため最安解は東京~京都間の最安8,382円に往復860円を足した東京~大阪間往復は最安9,242円からできる

ただ京阪電車とJR西日本新快速では所要時間が大きく異なるし、大阪方の目的地は人によるにしても京都での徒歩15分を避けられなく不便である。また東京方も新松田のりかえではなく小田原のりかえとすると、10,588円かかることになる。いや青春18きっぷより高いやないかい。

そうなると東京~大阪間を安値で移動しようと思えばJR東海☆夏の乗り放題きっぷを使って往復1万円切りでできるが、そんなまどろっこしいことするくらいなら青春18きっぷ連続3日券1万円でJRの普通列車をとにかく乗りとおす方がコスパがいいのではないだろうか。




JR東海☆夏の乗り放題きっぷが青春18きっぷより安いまとめ!

JR東海☆夏の乗り放題きっぷと青春18きっぷの価格比較まとめは以下の通り。なお普通乗車券往復とJR東海☆夏の乗り放題きっぷコスパ良と青春18きっぷ連続3日券に中で安いものを赤字にしている。

JR東海☆夏の乗り放題きっぷと青春18きっぷの比較まとめ
区間 普通乗車券往復 青春18きっぷ
連続3日券
JR東海☆夏の乗り放題きっぷ使用
コスパ良設定
JR東海☆夏の乗り放題きっぷ使用
最安設定
東京~名古屋間 12,760円 10,000円 7,410円 6,887円
東京~京都間 16,720円 10,000円 9,428円 8,382円
東京~大阪間 19,820円 10,000円 10,588円 9,242円

このように東京~名古屋・岐阜・京都間では青春18きっぷで往復するよりJR東海☆夏の乗り放題きっぷで往復した方が安上がりだという結果になった。

もっともJR東海☆夏の乗り放題きっぷはJR東海管内しか乗り放題ではないため青春18きっぷと比べ明らかにエリアが狭い。ただ日本の三大都市圏である東京~名古屋・京都・大阪を抑えられているところが大きく、利用する人が多いエリアを多く含んでいる。このため青春18きっぷ利用者の多くがJR東海☆夏の乗り放題きっぷ利用で青春18きっぷ連続3日券1万円より安く移動できるのではないだろうか。




JR東海☆夏の乗り放題きっぷの発売で青春18きっぷからの移行と東海道新幹線への移行を誘導へ!

ではなぜ青春18きっぷとは別にJR東海☆夏の乗り放題きっぷを発売することになったのか。

もっとも青春18きっぷとして発売するとJR6社乗り放題のため売り上げを6社で分けなくてはならず、発行手数料を踏まえても3日券10,000円のうち2,000円も入らない。しかもJR北海道やJR四国に優先分配されるうわさもあるためJR東海で発売しても1,000円も入らないとされる。が、JR東海☆夏の乗り放題きっぷであればネット予約e5489手数料をJR西日本に払わなければならないとはいえ3,900円中3,000円はJR東海に入るだろうし、なにせ利用条件にJR東海が運営するEXサービスの利用が不可欠であることから最低1,200円がそのまま入ってくる。つまり1枚売れれば4,200円はJR東海に入ってくることを踏まえると青春18きっぷと比べ非常に収益性が高い。このため青春18きっぷからの移行を見据えてJR東海の収益増加のためにJR東海☆夏の乗り放題きっぷを発行するに至ったのではないだろうか。

なおJR東日本の東日本のびのびパスと異なり、8月10日~8月19日の多客期も利用可能としている。これは最速達列車「のぞみ」が全車指定席化し毎時12本となった今でも満席で予約が取れないことがあるため、その際に普通列車に旅客の一部を代替してもらおうということなのだろう。




もっとも東京~名古屋・京都・新大阪間の利用は在来線を6時間も8時間も乗りつぶすより東海道新幹線で1時間40分~2時間30分でぶっ飛ばした方が早くて快適だし、なんなら旅の疲れも考えたら新幹線の方が周辺も含めた総費用が安くなる。そう考えるとJR東海としても収益性の高い東海道新幹線に移行したいのだ。

その移行誘導の1つが、エリア内に行くまでに東海道新幹線を使わせることである。JR東海☆夏の乗り放題きっぷ発売にあたりEXサービス利用を必須条件とし東海道新幹線に乗せることで、1駅でも東海道新幹線に乗せるのである。もっとも普通列車に延々乗ることが目的なら話は別だが、多くの青春18きっぷ利用者のただ安ければいいという貧乏思考を変えさせるためには、速い電車に無理やり乗せて味を占めさせるのが一番である。そのためにわざとフリーエリアに入るまでに東海道新幹線に乗せるよう仕向け、あれ新幹線速くて快適じゃね、むしろ普通列車に乗り換える方が面倒じゃね?と思わせて今後は青春18きっぷやそれ相当の普通列車しか乗れないきっぷではなく東海道新幹線を使ってもらおうと誘導しているのだ!!!

しかも窓口や券売機発券の新幹線のきっぷではなくエクスプレス予約やスマートEXなどのEXサービスで予約させるあたり、新幹線については他社に手数料を取らせまいという気概がすごい。

そう考えると今回のJR東海☆夏の乗り放題きっぷの最終目的は、青春18きっぷ利用者の東海道新幹線移行ではないだろうか。

やっぱり2020年代のJR東海は策士だよ。JR北海道もだけど。誘導がうまいね。


結び

今回の2025年7月~9月JR東海おとくなきっぷ設定では、JR東海管内の普通列車乗り放題のJR東海☆夏の乗り放題きっぷを発売することとした。

が、JR東海☆夏の乗り放題きっぷは青春18きっぷからの移行を目論んでいるほか、発券条件にEXサービス利用を条件とすることでエリア内に入る前に東海道新幹線を使わせることで新幹線の快適さを思い知らせ、次回の旅行移行東海道新幹線に誘導することを目論むなどかなり工夫を凝らしたきっぷとなっている。

今後JR東海でどのようなおとくなきっぷを発売するのか、見守ってゆきたい。

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関連資料 – 「JR東海☆夏の乗り放題きっぷ」新発売!~今年の夏はJR東海の在来線の旅をおトクに満喫しよう~ – JR東海

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