JTB時刻表やMyLINE東京時刻表のような冊子型路線別時刻表は、極力見やすく作られています。
ただ、近年増えている同人誌など自主製作の時刻表はそれをわきまえていないものも多く、はっきり言って見にくいものが多いです。
もっとも時刻順に左から配置するのは言うまでもありませんが、ではどのように制作すれば見やすい冊子型路線別時刻表をつくれるのでしょうか?
大原則は、1つの表に1つの運行系統を極力切らずにを入れること
まず大原則として、1つの表に運行系統を極力切らずにを入れること。
これができていない時刻表が多すぎて、非常に見にくくなっています。
鉄道時刻表ニュースで制作している韓国シティ時刻表では、1つの表で収まっていない列車は
の10本のみとなっています。いずれも運転系統としては少数で、主要な運転系統は1つの表に収まるようにしています。
またスペースの都合でやむなく1つの表に全停車駅を掲載していない列車として
がありますが、いずれも2つないし3つの表を見ることで全停車駅を把握できるようにしています。
同一区間同一表は二の次で良い
運転系統ごとに大雑把に表を分けるのは見やすさでは有用ですが、同一区間だからと言って運転系統の異なるものをむやみに入れるとかえって見づらくなりかねません。
韓国シティ時刻表では高速列車KTXは一般列車と同じページには原則掲載していません(高速線を通らない準高速列車はその限りではない)。これは、運転系統が大きく異なる列車を同一区間だからといって同じ表に記載してしまうと、かえって見づらく、少数派の一般列車を見つけにくくなるためです。
また台割の都合上、湖南線西大田~益山間は、湖南線と全羅線の2表に分けており、同区間の全ての一般列車を把握するためには2表ともに見る必要があります。が、湖南線と全羅線の2表はともに運転本数の関係で1ページずつで組めるため見開きの隣り合ったページに配置することにより見返すことなく2表を並べつことができています。かえって西大田~益山間を同一表にすると2ページかかってしまい、全羅線が見にくくなってしまいます。このため見やすさを重視するためにあえて西大田~益山間は2表に分けているのです。
時刻表の制作では、同一区間を同一表に書くことより、運転本数の多い運転系統を基軸にして表を割る方が見やすく、編集にあたって一番気を遣う必要なのです。
JTB時刻表やMyLINE東京時刻表のような冊子型路線別時刻表は、ただ時刻順に左から並べればよいというものではありません。時刻表の読み方は必ずしも路線図・索引地図を引くことをは絶対条件ではなく、様々な読み方に対応できるようにしなくてはならないのです。時刻表制作の際は上記のような見やすさを重視されることを強くお勧めします。
国鉄と地下鉄、時刻表をつくるならどちらが楽か
では国鉄並びに国鉄を継承した各線の時刻表と、地下鉄を含む都市鉄道の時刻表、もし自主制作するとしたらどちらの方が簡単でしょうか?
制作面でいうと答えは一択、都市鉄道を含む地下鉄の方が圧倒的に作りやすいです。
まず、地下鉄や都市鉄道は運転系統がほぼ決まっており、そこからは外れる系統は少なくなっています。このため表外区間への分岐が少なく、どこからどこまでを同一表とすべきか分かりやすいです。
また、掲載順番を考える際も地下鉄や都市鉄道は開業順や方位順で並べれば済むので、極めて楽です。一方国鉄やそれを継承した企業帯の場合は、主たる路線から分岐する順盤に並べる必要があり、順番を考えるだけでもかなり手間がかかります。
ただ、地下鉄・都市鉄道でも小規模な都市からやることをお勧めします。というのも、都市が大きい場合都市鉄道でも複雑な路線形態をとることがしばしばあること、どの路線とどの路線が関連性が強いかなどを考え抜かないとかえって読みにくくなってしまうからです。
結び
時刻表の台割配置で最も必要なのは、同一区間を同一表に書くことより、運転本数の多い運転系統を基軸にして表を割ることのほうが重要です。
近年増えている同人誌などの自主製作時刻表ですが、実際に使う際の使いやすさも考慮して制作したり購入されてはいかがでしょうか。
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