広がる車掌レス ワンマン運転は何両までできるか

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広がる車掌レス ワンマン運転は何両までできるか

働き手が不足している中、必要のない人員は新規採用を抑えることでほかの産業に人員が回せるようになります。

鉄道では1980年代は車掌がいるのが当たり前でしたが、さまざまな保安設備の開発により必ずしも車掌が必要なくなってきており、運転士のみが乗務するワンマン運転が拡大しています。

そこで今回は日本で行っているワンマン運転について見ていきましょう。

ワンマン運転のあらまし

ワンマン運転は、車掌がおらず運転士だけで乗務する運転方法です。乗合バスでは1970年頃より浸透しもはや一般的ですが、鉄道でも広がっています。

そんなワンマン運転は都市型と地方型に大別され、車内で運賃を収受するものを地方型、駅で運賃を収受するものを都市型と言います。

歴史・登場順としては、

  • 車内運賃収受によるワンマン運転
  • ホームドア設置および駅設置カメラによる都市型ワンマン運転・無人運転
  • 運転士目視確認による都市型ワンマン運転
  • 車外カメラ確認による都市型ワンマン運転

の順となっています。それぞれについて見ていきましょう。




車内運賃収受によるワンマン運転

車内運賃収受によるワンマン運転は、車内で運転士が運賃収受まで行う方法です。中乗り前降りバスと同様、中乗りまたは後ろ乗りで整理券を発券、前ドア付近の運転士に運賃を支払い前ドアから下車する方法です。ドア開閉は運転士が運転席から一度立ち、後方確認をしてからドアを開きます。

運賃収受を行う関係上用客が一番前の車両のドアまで行かなくてはなりませんから、利便性も考慮すると1両または2両でしか実施ができません。また運賃収受を行うため停車時間が長くなる傾向にあります。

運転士目視による都市型ワンマン運転

運転士目視による都市型ワンマン運転は、ドア開閉は運転士が運転席から一度立ち、後方確認をしてからドアを開きます。ただし都市型ワンマン運転のため運賃収受は車内で行わず、駅で行います。

最大4両までの実施となっており、国土交通省の規定により5両以上ではできません。

車外カメラ設置によるワンマン運転

車外カメラ設置によるワンマン運転は、2019年より普及し始めた方式です。車両上部外側にカメラを設置することにより車両から乗降を確認、運転士が席に座ったままドアを開閉する方式です。都市型ワンマン運転のため運賃収受は駅で行います。後述のホームドア設置によるワンマン運転の簡易版として低費用で導入できる3両以上の都市型ワンマン運転っステムとしてつくられました。

現状最大6両まで行っていますが、JR東日本では最大8両までの実施を見込んでいます。

ホームドア設置によるワンマン運転

ホームドア設置によるワンマン運転は、ホームドアを設置し乗車ホーム側に監視カメラを設置することで運転士が席に座ったままドアを開閉する方式です。現状最大10両まで行っていますがJR東日本山手線で実施すれば、11両編成のワンマン運転が実現します。

特に地下鉄の場合は自動運転装置ATOを整備している例が多く、運転席のボタン1つで次の駅まで自動運転してくれることが多くなっています。

1990年ごろから普及し始めた方式で、4両を超えた車両でもワンマン運転が可能になりましたが、ホームドアを設置する必要性があるため整備費用が極めて高額となっていました。

もっとも1990年以降国土交通省は利用が多く見込まれる新規鉄道路線にはホームドアの設置(のちに可動式ホーム策に簡略化)を推奨していた(というかほぼ義務だった)ので新設鉄道については設置せざるを得ませんでしたが、あまりにも費用が掛かるため既設鉄道ではあまり進まず、ホームドアの簡素版としてホームセンサー設置を行いワンマン化した線区もあります(東急池上線・東急多摩川線・名鉄三河線など)。




世界のワンマン運転の現状ワンマン運転

ここまで日本の鉄道のワンマン運転について見てきましたが、世界ではどうでしょうか。

世界ではすでに地下鉄・都市鉄道ワンマン運転は当たり前、アジアに至ってはホームドア整備による無人運転をいたるところで行っています。もっとも日本より後に鉄道が急速拡大した国が多くほとんどの路線が開業当初からホームドアをつけていることもありますが、韓国の地下鉄・都市鉄道ではホームドアではなく動かないホーム柵でも8両以下なら都市鉄道全てワンマン運転を実施しています。日本の列車運行に関わる人件費節減策が遅れているのは明らかです。

日本でももっとワンマン運転を推し進めるべきでしょう。


結び

ワンマン運転の拡大で、鉄道会社としては車掌の人件費を抑制、経費節減ができるほか、人員をほかの業種に充てることでその国全体の人員適正化につなげることができます。そして日本の鉄道ではワンマン運転は十分に広まっておらず、不十分と言わざるを得ません。ワンマン運転ができず生産性が低いために他業種に人員が回せず、どんどんコカ全体の経済力が落ちているといっても過言ではありません。

もっとも5両以上のワンマン運転であれば本来ホームドアを付けて安全運転を図るべきだと思いますが、有効求人倍率が高く職種を選ばなければ誰でも職にありつける中、必要な仕事に適切に労働力を配置する観点を考えても人員整理ができるワンマン運転の拡大は行って然るべきでしょう。

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