なぜPiTaPaは大失敗したのか 関西のICカードはICOCA一強

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なぜPiTaPaは大失敗したのか 関西のICカードはICOCA一強

大阪都市圏、関西で発行されるカードにはICOCAとPitapaがあります。

ただ、Pitapaの利用者数は少なく多くの人がICOCAを利用しています。なぜでしょうか。

関西私鉄系ICカードPiTaPa

PiTaPaは磁気カードスルッと関西の後継として阪急阪神東宝グループが中心となり2004年8月1日より利用開始となったICカードです。

当時ICカードはJR東日本のSuicaとJR西日本のICOCA程度しかなく、東京都市圏のPASMOがまだなかったことを考えると私鉄系初の大規模ICカードと言えるでしょう。

ただ阪急阪神東宝グループは気品が高い社風のため、ICカードにも独自路線で気品の高さを求めました。これが今となっては失敗作となった大きな原因となったのです。




PiTaPaは発行が面倒

PiTaPaはSuicaやICOCAなどのICカードと独自路線を図ることとしました。

ICカードは前払いチャージでチャージ分から支払うのが一般的です。実際関西で最初にICカードを導入したJR西日本のICOCAもそうでしたが、PiTaPaでは後払い式を採用しました。

これにより様々なお得な制度を設計できたのですが、大きな問題がありました。それは後払いゆえクレジットカードとの同時発行が必須だったのです。これはクレジットカードを持てるほどの最低限の金銭マナーがある人に買ってほしいという最低限の気品を求めたのでしょう。

ただクレジットカードでは与信が必要なため発行に様々な審査が必要ですし、発行に時間がかかります。とてもその日から使いたいから即日発行なんてことはできません。

もっとも任意整理中などでクレジットカードを発行できないのは本人の自己責任と言えるかもしれません。が、この自己責任がゆえに磁気きっぷを発売し、改札を通すための自動改札機を残し維持するは鉄道各社のため、その分のコストを回収する必要が鉄道会社にありました。

またクレジットカードの発行が条件だったため18歳未満および高校生以下に発行することができず、磁気定期券が多く残ってしまったのです

このためこどもに発行制限を設けるICカードの発売は公共事業としてできないことから、大阪市交通局(現Osaka Metro)、京都市交通局、神戸市交通局ではPiTaPaの発行を行わなかったほか、こどもを含め誰でも持てるICカードを発行するために2012年より関西大手私鉄のうち阪急阪神東宝グループではないの京阪、近鉄、南海が相次いで各駅でICOCAを発行することになりました。

PiTaPa発行の中心団体だった阪急阪神東宝グループではICOCA導入に抵抗して阪急阪神能勢北急レールウェイカードを発行しましたが、結果的に2019年にICOCAを各駅で発売することになりました。

関西大手私鉄でもICOCAが発行されるようになったことから、PiTaPaは完全敗北を喫したのです

PiTaPaが後世に残したもの

ではPiTaPaという失敗作は他のサービスにどのような影響を及ぼしたのでしょうか。

まずPiTaPaはクレジットカードとの連携が必須だったわけですが、これを受けてJR・私鉄ともにICカードのクレジットカード連携やクレジットカード一体型ICカードの導入を進めるこっとなります。もっともこれらのカードは前払いなのでオートチャージという形で一定額以下しかICカード残額がなくなった際にクレジットカードから引き落とされる形になります。

また2018年10月1日にはJR西日本大阪近郊区間を中心にPiTaPaポストペイサービスを導入しました。

PiTaPaは確かに失敗作ではありますが、その教訓や一部のサービスは他のICカードに引き継がれているのです。


結び

ICカードPiTaPaは独自路線を貫きすぎたために制約が大きくなり利用者が伸びず失敗に終わり、結果的にPiTaPa導入鉄道各社がICOCAを発行することによりなりました。

ただ、PiTaPaでつちかわれたサービスの一部は他のICカードに引き継がれています。

失敗作といえど、ICカードの進化にPiTaPaは一役買えたようです。

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