JR東日本は2023年10月27日、プレスリリースにて2024年3月16日より房総特急しおさい・わかしお・さざなみを全車指定化し料金改定すると公表した。今回はこれについて見ていく。
房総特急全車指定化で首都圏の在来線特急全車指定化へ!
今回の2024年3月16日JR東日本特急料金改定では、房総特急しおさい・わかしお・さざなみを全車指定化し料金改定する。
房総特急は朝の通勤時間帯に普通車全車自由席特急を運転するほど自由席が多く、2018年3月17日より全列車に1両以上は普通車指定席が連結するようになった今でも列車内の半分程度が自由席である。
そんな中今回の2024年3月16日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では房総特急しおさい・わかしお・さざなみを全車指定化し、特急料金も改定する。
特急料金は常磐線特急「ひたち」や中央本線特急「あずさ」と同様割安な特急料金(筆者は勝手にE特急料金と呼んでいる、Eastなので)となる。特急料金表は以下の通り。
これにより50km以内の東京~千葉・蘇我間は事前特急料金760円、100km以内の東京~成東・君津・茂原間は事前特急料金1,020円、150km以内の東京~調子・安房鴨川間および新宿~安房鴨川・館山間は事前特急料金1,580円となる。ただしえきねっとチケットレスサービスなら通年100円引きとなるほか、えきねっとトクだ値なら席数限定で特急券のみを35%割引で購入できる。
おそらく今回の房総特急料金改定は総武本線特急「しおさい」へのE259系(「成田エクスプレス」型車両)の投入も兼ねてのことだと思われるが、特急「成田エクスプレス」がA特急料金なのに対し房総特急ではE特急料金による通年同額料金で済んでいるだけ十分マシだろう。
それにしても房総特急の運転するJR東日本千葉支社はかたくなに制度変更拒否を行っていたあの労働組合、動労千葉の牙城であったはずだ。が、近年動労千葉がストライキしても列車が運休することはなくなったし(昔は久留里線が運休していた)、キハE130形やE131系などの新型車両も順次投入するようになったことを踏まえると、動労千葉も弱くなってきているのだろう。
もはや外房線特急「わかしお」の一部が勝浦~安房鴨川間で普通列車として運転し料金不要で乗れたのは昔話なのだろう。
これにより東京都内を発着するすべての在来線特急が全車指定席となる。JR東日本としては首都圏の在来線特急はえきねっとで事前予約したうえでチケットレス購入した特急券と、SuicaなどのICカードで利用してほしいようだ。
新幹線のみ自由席が残ることになるのか?
かくして東京都内を発着するすべての在来線特急から自由席がなくなるわけだが、それでも自由席が残る長距離列車がある。それは新幹線だ。
在来線特急は自由席がなくなるというのに、新幹線に自由席が残るというのはいかがなものか。
東海道新幹線は他社のJR東海管轄であるため調整できないかもしれないが、自社管内の東北・上越・北陸の各新幹線では順次自由席の連結を順次取りやめ、全車指定席列車が増えている。
このため2024年3月16日ダイヤ改正で房総特急とともに東北・上越・北陸の各新幹線からも同時に自由席がなくなり、全車指定化してもおかしくはないだろう。
結び
今回の2024年3月16日JR東日本特急料金改定では、房総特急しおさい・わかしお・さざなみを全車指定化し料金を改定することとした。
在来線特急列車の自由席が東京からなくなる中、今後特急料金をどのように改定していくのか、見守ってゆきたい。
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