クリスマスエクスプレスを生み出したJR東海は文化創造企業であり1分感動動画を作った最先端企業である

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クリスマスエクスプレスを生み出したJR東海は文化創造企業である

JR東海は1987年4月に国鉄分割民営化により誕生した鉄道会社です。

もっとも日本で一番の黒字額をたたき出す東京と新大阪を結ぶ鉄道の代走脈、東海道新幹線の運転を行っていますが、本社は名古屋にあり東京や大阪の都市鉄道事業を行っていないことから、JR東日本やJR西日本と比べ発足当初の知名度が低い状態でした。

そこでJR東海では、主に東京・大阪向けの告知企画としてテレビCMシンデレラ・エクスプレスを1987年6月より放映開始、その後ホームタウン・エクスプレスとして季節ごとにそれぞれのテーマに合わせ制作していきました。

クリスマスに恋人と過ごす文化をもたらしたJR東海

その中でひときわ目立っていたのが、1988年12月放映のホームタウン・エクスプレス X’mas編である。

当時クリスマスと言えば、サンタさんがこどもたちにプレゼントを運びに来るイベントであり、ある意味ホームパーティーだった。当初テレビCMのくくりもホームタウンエクスプレスの一部としていたのはそのためである。

ただ、ホームタウン・エクスプレス X’mas編ではプレゼントの受け渡しはあるもののこどもを一切出さず恋人同士のクリスマスを演出することとした。もっともJR東海の主力商品である新幹線にこども1人で乗るわけにもいかないので、1人で遠出ができる恋人とせざるを得なかったためである

が、この演出がたちまち人気に火をつけ、恋人で過ごすクリスマスがまたたく間に定着した。その後4年間「クリスマスエクスプレスシリーズ」は毎冬に走り続けることとなった。




クリスマスエクスプレスが起こした1分感動革命

またクリスマスエクスプレスが引き起こしたのはこれだけではない。

当時テレビドラマ全盛期だったため1時間尺(CMを引いても40~50分程度)のドラマが多く、短いとされていた漫才やコントですら2000年以降は4分以内に収まるものが多かったものの、当時は5分超、ドリフターズに至っては10分超が当たり前であった。その長い時間の中でゆっくり話を展開し感動や笑いに変えて印象に残す手法が一般的であった。

そんな中テレビCMであるクリスマス・エクスプレスはたった1分で感動を残し、視聴者への印象を強烈に残したのである。テレビ作品でたった1分で視聴者を感動の渦に巻き印象に残した作品はなく、全ての動画媒体を合わせても2012年に誕生した画像共有SNSインスタグラムの誕生まで待たなければならない。しかも2012年当時インスタグラムの動画は主流ではなく、短い動画が流行しだしたのが2018年頃からだし、動画投稿サイトyoutubeのショート動画が始まったのが2021年7月である。

つまり最短で感動を与えるという世界記録は少なくとも24年に渡りクリスマス・エクスプレスが有していたことになる。当時はテレビCM枠の関係で1分と決まったものが、その後30年以上にわたり視聴者のくぎ付けとなっていたのは、その後20年以上にわたり類似するものが一切なかったこともあるだろうし、30年経以上った今になって秒単位の短時間で感動を呼び起こすことが主流になったこともあるだろう。つまりJR東海クリスマス・エクスプレス自体が時代を30年先取りした動画革命だったのである




このためテレビCMクリスマス・エクスプレスに使用している楽曲山下達郎の「クリスマス・イブ」は12月になると2020年代でも必ずオリコンチャートトップ100に入るし、キャスティングされた深津絵里や牧瀬里穂もいまだに活躍できている大きな要因となっている。

つまりJR東海クリスマス・エクスプレスは、文化を創造した以外にも動画革命をも行っていたことになる。革命が起きて30年経て定着してればそれはもはや文化である。ゆえにJR東海は文化創造企業と言えるのです


結び

1987年に知名度が低いことから始まったJR東海のテレビCM。そのテレビCMはクリスマスに恋人と過ごすという文化を創造し、たった1分で視聴者を感動させ30年以上も印象に残す動画革命を引き起こしました。

30年以上たった現在でもテレビ作品においてクリスマス・エクスプレスより短い時間で感動を与える作品はクリスマス・エクスプレス以外に存在しません。JR東海は日本に新たな文化をもたらした唯一無二の企業なのです。

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