鉄道車両に車内トイレは必要なのか! そもそもないのが普通!車内トイレを使うよそ者は100円払えば?

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鉄道車両に車内トイレは必要なのか! そんなに要るなら100円払えば?

鉄道車両に連結していることのある車内トイレ。今回はこれについて必要なのか見ていきたいと思います。

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そもそも鉄道車両内の車内トイレとは!

JR各社では車内に設置していることが多いトイレ。そもそも設置している利用は長距離移動の便宜のためとしています。このため新幹線や特急列車を中心に車両端部に車内トイレを設置していることが多くなっています。

一方で昼間60分以内で運転することが多い私鉄では料金不要列車で車内にトイレがないことの方が普通です。




特急や在来線特急には車内トイレはあった方が良い!

そもそも鉄道車両内に車内トイレを設置しているのは、長距離移動の便宜を図るためです。

このため長距離移動を前提とする新幹線や在来線特急には引き続き車内トイレを設置した方が良いと言えるでしょう

ただその車内トイレ、東海道新幹線では乗客の90%以上が利用しません。最速達列車で本数が一番多い「のぞみ」であれば主たる区間である東京~新大阪間は2時間21分~2時間30分。正直車内トイレで用を足す必要が薄いのである。

このため新幹線車内に車内トイレはあってもいいものではありますが、実態として乗客の90%以上は使っていません。車内トイレ使用者は新幹線ですら少数派なのです。




普通列車にトイレは必要なのか

では普通列車にトイレは必要なのでだろうか。

そもそも料金の必要ない普通列車では私鉄ではたいてい車内トイレを設置していません。近畿日本鉄道は大阪線・名古屋線用急行用車両に連結していますが、ほかは西武鉄道40000系L/C車および京急電鉄1000系1890番台L/C車など料金の必要な列車用の車両の間合い運用程度でほとんどの私鉄では料金不要列車である普通列車に車内トイレを設置していません。

一方でJR各社では普通列車でも車内トイレを設置することが多くなっています。これは路線網が広域なゆえ普通列車の乗り継ぎでも長距離移動ができるため、その便宜としています。

ただそもそも普通列車の平均乗車距離は10km~15km程度、時間は20分~30分程度であることが多い。このため全国の普通列車において車内トイレは乗客の1%も使っていないのである。

これくらいの運転区間を走る鉄道は普通だし、大手私鉄ではそもそも車内トイレがないため、それくらい我慢しろ、駅で済ませろは至極当然だろう。

むしろ車内のトイレ設置により客室空間が減少、座席やつり革が減少し混みやすくなるのである!このためJR各社の前身日本国有鉄道でも東京周辺や大阪周辺の電車特定区間内のみを走る国電については車内トイレの設置をしていなかった。

つまり普通列車の車内トイレは必ずしも必要ではないのである




電車特定区間外にも関わらず車内トイレを設置していない列車を運転する区間一覧

一方で国電区間、つまり2025年3月31日までのJR東日本東京電車特定区間およびJR西日本大阪電車特定区間外の区間でも車内トイレの設置のない列車を運転している区間がある。その一覧は以下の通り。

電車特定区間外にも関わらず車内トイレを設置していない列車を運転する区間一覧
線区 対象 備考
成田線我孫子 – 成田間 全列車
京葉線千葉みなと – 蘇我間 全列車
外房線千葉 – 勝浦間 一部:E233系運用列車
東金線大網 – 成東間 一部:E233系運用列車
内房線蘇我 – 上総湊間 一部:E233系10両編成
川越線大宮 – 川越間 全列車
川越線川越 – 高麗川間 全列車
八高線八王子 – 高麗川間 全列車
相模線茅ヶ崎 – 橋本間 全列車
琵琶湖線草津 – 京都間 一部:321系または207系7両編成 2025年4月1日に電車特定区間に編入
奈良線京都 – 木津間 一部:205系4両編成 2025年4月1日に京都 – 城陽間が電車特定区間に編入
大和路線木津 – 奈良間 一部:321系または207系7両編成
および205系4両編成
学研都市線木津 – 長尾間 全列車 2025年4月1日に松井山手 – 長尾間が電車特定区間に編入
JR宝塚線尼崎 – 篠山口間 一部:321系または207系7両編成 2025年4月1日に尼崎 – 新三田間が電車特定区間に編入
山陽本線和田岬支線兵庫 – 和田岬間 全列車
JR神戸線西明石 – 加古川間 一部:321系または207系7両編成 2025年4月1日に電車特定区間に編入
筑肥線姪浜 – 筑前深江間 一部:福岡市交通局所属の車両で運転の列車 JR九州所属車両で運転の列車は車内トイレ設置




そもそも車内トイレは減少傾向

そもそも鉄道車両内の車内トイレは減少傾向です。

そもそも1960年代の国鉄時代には普通列車はおおむね4両に1か所程度、新幹線を含む特急列車は2両に1か所程度配置していました。このうち普通列車はどんどん5両に1か所、6両に1か所と減っていき、JR西日本221系や223系、225系、JR東海315系では8両固定編成に1か所しか配置していません。

また依然として車内トイレを必要とする在来線特急も新幹線への置き換えで在来線特急2両100席程度にトイレ2基から2両190席程度にトイレ3基へと順次置き換わっており、車内トイレは普通車50席程度に1基から60席程度に1基に減少しています

つまり鉄道会社としても車内トイレは削減したいという方向のようです。




車内トイレを撤去して運賃値上げの抑制も可能!

車内のトイレ設置によりそもそも清掃自体が手間であるし、客室空間が減少することで座席やつり革が減少し混みやすくなるのである!

客が運べないということはそれだけ余計に車両数を必要とするため当然運賃が上がりやすくなる。つまり普通列車の車内トイレを廃止すれば運賃値上げを抑制できるのではないか。

実際2020年以降の運賃改定で大手私鉄で一番大きく値上げした近畿日本鉄道は大手私鉄で唯一間合い運用ではない急行用車両に車内トイレを残している。一方で料金不要列車から車内トイレを全撤去した東武鉄道は2025年現在まだ運賃値上げをしていない。もっとも東武鉄道も運賃値上げをしない保証はないが、少なくとも2026年3月14日の東京都市圏複数鉄道会社運賃改定を回避しており運賃値上げが遅れていると言えそうだ。つまり車内トイレ削減・撤去で運賃値上げを遅らせることができるし、値上げしても値上げ幅を抑えられると言えそうだ。

しかも運賃値上げは普段使いする地元住民の方々も対象になるが、そのような地元住民の方々はたいてい15km以内、30分以内の短距離利用のため鉄道車両内のトイレは使用しないのである。つまり車内トイレをつかうよそ者向けに地元住民は運賃値上げを強いられるのです!こんなのたまったものではない!

そう考えると鉄道車両内の車内トイレは削減・廃止すべきではないだろうか!




普通列車の車内トイレを撤去しても問題ない線区と列車一覧

そこで長距離の便宜として使われない列車は車内トイレを撤去しても問題ないことから、車内トイレがなくても問題のない列車を終日設定している区間を一覧化した。

選定基準は

  • 快速を含む普通列車のうち、グリーン車や指定席を連結していない列車(JR北海道快速エアポート、JR東日本普通列車グリーン車設置列車、JR四国快速マリンライナーが除外)
  • 本線系統で接続して乗り継ぐことが前提となっていない列車(東海道本線・山陽本線・東北本線などの主要線区が除外)
  • 昼間片道60分程度以内、通勤時間帯片道90分以内でしか運用しない列車かつ、終日運転系統がある列車(昼間しか折り返し運転がないJR東海東海道線小木津 – 島田間折り返し列車は除外)
  • ただし快速と普通列車で編成が分かれている場合は普通列車の車内トイレを撤去可能とする(千歳線・函館本線普通電車や東海道線名古屋地区普通列車など)
  • また乗継前提でも乗車時間15分以内に限る場合は普通列車の車内トイレを撤去可能とする(JR九州山陽本線下関 – 小倉間)

とした。

なお折り返し列車は内方折り返しを含む(例:身延線富士 – 芝川間折り返し列車は富士 – 西富士宮間折り返し列車を含む)

普通列車の車内トイレを撤去しても問題ない線区と列車一覧は以下の通り。

普通列車の車内トイレを撤去しても問題ない線区と列車一覧
線区 対象 備考
函館本線手稲 – 岩見沢間 一部:3両固定編成電車すべて 特別快速・快速エアポート用6両編成間合い運用含むは車内トイレ存置
函館本線岩見沢 – 滝川間 一部:3両固定編成電車すべて 通勤時間帯のみ 終日運転の737系2両編成は車内トイレ存置
学研都市線桑園 – 北海道医療大学間 全列車
千歳線白石 – 苫小牧間 一部:3両固定編成電車すべて 特別快速・快速・区間快速エアポート用6両編成間合い運用含むおよび
737系2両編成は車内トイレ存置
仙石線あおば通 – 高城町間 全列車
仙石線高城町 – 石巻間 一部:あおば通発着4両固定編成電車すべて 仙石東北ライン特別快速・快速は車内トイレ存置 問題なし
仙山線仙台 – 愛子間 一部:仙台 – 愛子間折り返し列車 混雑率が高く喫緊の対策として車内トイレ撤去が必要
東北本線名取 – 仙台間 一部:仙台空港発着列車
仙台空港鉄道線名取 – 仙台空港間 全列車
外房線千葉 – 上総一ノ宮間 一部:10両以下の全列車 総武快速は車内トイレ存置
総武快速のみが昼間に安房鴨川方面列車に連絡するので
上総一ノ宮で接続のない列車は車内トイレ撤去で問題なし
外房線上総一ノ宮 – 安房鴨川間 一部:3両 – 10両で運転の列車 通勤時間帯のみ運転 昼間運転のE131系2両編成は車内トイレ存置
東金線大網 – 成東間 全列車
内房線蘇我 – 木更津間 一部:10両以下の全列車 総武快速は車内トイレ存置
総武快速のみが昼間に館山方面列車に連絡するので
君津で接続のない列車は車内トイレ撤去で問題なし
内房線木更津 – 君津間 一部:3両 – 10両で運転の列車 終日運転の総武快速とE131系2両編成は車内トイレ存置
内房線君津 – 千倉間 一部:3両 – 10両で運転の列車 通勤時間帯のみ運転 終日運転のE131系2両編成は車内トイレ存置
身延線富士 – 西富士宮間 一部:富士 – 芝川間折り返し列車
飯田線豊橋 – 本長篠間 一部:豊橋 – 本長篠間折り返し列車
中央線瑞浪 – 名古屋間 一部:瑞浪 – 名古屋間折り返し列車
東海道線豊橋 – 大府間 一部:全駅停車の普通列車
東海道線大府 – 名古屋間 一部:全駅停車の普通列車および
武豊線直通列車
東海道線名古屋 – 大垣間 一部:全駅停車の普通列車
武豊線武豊 – 大府間 全列車
関西線名古屋 – 河原田間 一部:315系4両編成すべて 混雑率が高く喫緊の対策として車内トイレ撤去が必要
快速みえは車内トイレ存置
関西線河原田 – 亀山間 全列車
湖西線京都 – 永原間 一部:新快速およびその間合い運用を除く全列車 新快速は車内トイレ存置
嵯峨野線京都 – 園部間 一部:福知山方面223系2両編成を除く全列車 混雑率が高く喫緊の対策として車内トイレ撤去が必要
おおさか東線大阪 – 久宝寺間 一部:6両固定編成(普通電車) 直通快速は車内トイレ存置
大和路線奈良 – 天王寺間 一部:6両固定編成(普通電車) 快速・区間快速は車内トイレ存置
大和路線今宮 – JR難波間 一部:6両固定編成(普通電車) 快速・区間快速は車内トイレ存置
阪和線天王寺 – 和歌山間 一部:6両固定編成(普通電車) 快速は車内トイレ存置
JR宝塚線尼崎 – 篠山口間 全列車
福知山線篠山口 – 福知山間 一部:4両以上の電車(大阪方面直通列車) 通勤時間帯のみ運転 昼間運転の223系2両編成は車内トイレ存置
姫新線姫路 – 上月間 一部:キハ127形2両固定編成 1両編成のキハ122形は車内トイレ存置により
朝夕と昼間の播磨新宮 – 上月間列車の車内トイレを存置
宇野線岡山 – 茶屋町間 一部:快速マリンライナーを除く全普通列車 混雑率が高く喫緊の対策として車内トイレ撤去が必要
快速マリンライナーは車内トイレ存置
宇野線茶屋町 – 宇野間 全列車
宇野線茶屋町 – 児島間 一部:快速マリンライナーを除く全普通列車 快速マリンライナーは車内トイレ存置
吉備線岡山 – 総社間 全列車
福塩線福山 – 神辺間 一部:府中発着の列車 井原鉄道直通のみ車内トイレ存置
福塩線神辺 – 府中間 全列車 府中から先に行く列車が極端に少ないため撤去可能
呉線安浦 – 呉間 一部:広島乗り入れ全列車
呉線呉 – 海田市間 全列車
山陽本線白市 – 海田市間 一部:白市 – 大野浦間折り返し列車
山陽本線海田市 – 広島間 一部:白市 – 大野浦間折り返し列車
および呉線直通列車
山陽本線広島 – 横川間 一部:白市 – 大野浦間折り返し列車
および可部線直通列車
山陽本線横川 – 大野浦間 一部:白市 – 大野浦間折り返し列車
可部線横川 – あき亀山間 全列車 混雑率が高く喫緊の対策として車内トイレ撤去が必要
山陽本線厚狭 – 下関間 一部:厚狭 – 下関間折り返し列車
山陽本線下関 – 門司間 全列車 乗車時間15分以内
鹿児島本線門司 – 小倉間 一部:下関 – 小倉間折り返し列車 乗車時間15分以内
筑豊本線若松 – 折尾間 全列車
福北ゆたか線折尾 – 直方間 一部:BEC819系運転の列車
後藤寺線新飯塚 – 田川後藤寺間 全列車
香椎線西戸崎 – 宇美間 全列車
鹿児島本線香椎 – 博多間 一部:BEC819系運転の列車 朝1本のみ 他の列車は車内トイレ存置
福岡市地下鉄空港線福岡空港 – 姪浜間 全列車 混雑率が高く喫緊の対策として車内トイレ撤去が必要
筑肥線姪浜 – 筑前前原間 全列車 混雑率が高く喫緊の対策として車内トイレ撤去が必要
筑肥線筑前前原 – 唐津間 一部:6両固定編成 通勤時間帯のみ運転 終日運転の3両編成以下は車内トイレ存置
唐津線唐津 – 西唐津間 一部:6両固定編成 通勤時間帯のみ運転 終日運転の4両編成以下は車内トイレ存置




普通列車の車内トイレ全廃で駅トイレ利用でも良いのでは?

そもそも大手私鉄では車内トイレがないのが普通ですから、JR各社もすべての普通列車で車内トイレを

そもそも総武本線や成田線のように2時間超になる普通列車では佐倉駅や成田駅など主要駅で10分~15分程度停車させれば駅トイレで用を足すことができるようになるわけで、車内トイレは必要がなくなるのです。




そんなに普通列車の車内トイレ残したいなら料金100円払えば?

そもそも車内トイレの本来の目的は長距離移動の便宜であり、その長距離移動は1980年以降新幹線を含む特急列車に集約しています。

その新幹線や特急列車の乗車には運賃のほかに数千円もの特急料金が必要です。そりゃあ数千円多く払っているのですから、設備として車内トイレが欲しいはわかります。

が、普通列車は短距離利用が多くたいてい数百円しか払いません。しかも長距離でも特急料金は取られませんから安いのです。そのぐんざいでカネのかかる車内トイレをつけるだと?その客を乗せられない車内トイレのせいで運賃上がってるんだぞ。

そんなに使いたいなら普通列車車内トイレ1使用ごとに100円徴収しても使いますよね?金払ってまでは使わないってことは要らないってことですよね?

安い普通列車で車内トイレが欲しいという人のレベルなんてあったら便利程度で、なくても困らない人たちばかりなんですよ。

新幹線や在来線特急は車内トイレを残しておいても良いですが、普通列車の車内トイレは廃止して運賃値上げを抑制すべきではないでしょうか。


結び

日本の鉄道には車内トイレが設置していることが多くなっています。が、普通列車の車内トイレはたいていなくても困らないものばかりでかえって運賃値上げの原因にもなっています。

普通列車の車内トイレは削減すべきですし、今後全廃もすべきではないでしょうか。

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