Osaka Metro は2024年2月9日、プレスリリースにて2024年度末に延伸する中央線について、延伸区間に加算運賃を導入すると公表した。今回はこれについて見ていく。
夢州に加算運賃90円設定へ!
今回の2024年Osaka Metro 加算運賃設定では、2024年度末の地下鉄中央線夢州延伸に向け加算運賃の設定を行う。
この地下鉄中央線夢州延伸は、2025年大阪関西万博の開催地である夢州まで延伸するものである。ただ新線開業のため加算運賃を設定することとなった。
今回加算運賃を設定するのはコスモスクエア~夢州間で、Osaka Metro全線に適用している鉄道駅バリアフリー料金制度10円のほか新線建設にかかわる加算運賃として90円徴収することとなった。
これによりコスモスクエア~夢州間隣駅間3.2kmは2区加算運賃付き330円、梅田・新大阪・なんば・天王寺~夢州間は4区加算運賃付き430円となる見込みだ。
おいおいOsaka Metroの初乗り190円、2区240円と比べたらかなり割高と思うかもしれないが、そもそも1970年の大阪万博の際には北大阪急行は江坂~万国博中央口間で運賃120円を徴収していたから新大阪から地下鉄御堂筋線で行く際にも江坂から別運賃を取っていたため割高であったからそれと同等と思えば安上がりだろう。
いやむしろ橋下徹大阪元市長による大阪市営地下鉄の民営化がなければ、夢州は市街地がないため公営交通での開業を禁じられ大阪テクノポートシステム(OTS)による第一種鉄道事業線となる可能性があった。かつて中央線大阪港~コスモスクエア~ニュートラム中ふ頭間で大阪テクノポートシステム(OTS)が運営していた時期があったが、全線均一230円で大阪市営地下鉄とまたぐ際には両社の運賃が必要であった。
もし大阪市営地下鉄のままだったら中央線コスモスクエア~夢州間は大阪テクノポートシステムによる一律230円となっていた可能性があるし、消費税率が上がっていることから240円に値上げしてもおかしくはない。それが大阪市営地下鉄民営化によりOsaka Metroでの延伸が可能となり加算運賃90円で済んだと思えばかなり安上がりだろう。
加算運賃認可申請前に加算額を決定していた疑い
ただ加算運賃の設定は国土交通省の認可が必要である。認可申請が認められない場合加算運賃は設定できないと鉄道事業法で定められている。
が、Osaka Metroでは運賃表製作費を節約する目的で2023年より2024年3月23日の北大阪急行箕面萱野延伸に合わせ運賃表を全駅で取り換えている。この際に北大阪急行箕面萱野駅のみならず地下鉄中央線夢州駅の運賃も表記したものに置き換えている。もっとも2024年2月現在両方とも未開業のため白いシールでおおわれているが、文字としては打ち込まれている状態にある。
実際の2024年1月14日に撮影した中央線コスモスクエア駅運賃表の画像はこちら
ただ、運賃表の数字を文字として打ち込むためには、運賃額が決まっていないとおかしい。そう考えると、2023年末の時点で加算運賃が90円になることはもう決まっていたのではないだろうか?
認可を決定どころか申請していない段階で運賃額が決まっていたともなれば鉄道事業法違反となる。おいおい、運賃表の製作費節約とはいえそれはいかがなものだろうか。
結び
今回の2024年Osaka Metro 加算運賃設定では、中央線コスモスクエア~夢州間延伸に際して加算運賃90円を設定することとなった。
一方認可申請前に加算運賃額が決まっていたとするなれば鉄道事業法違反の可能性がある。
今後加算運賃の設定手法についてどのようになるのか、見守ってゆきたい。
関連資料 – Osaka Metro 中央線延伸部(コスモスクエア駅から夢洲駅間)の加算運賃の上限設定について認可を申請しました – Osaka Metro
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