日本雑誌協会はは2021年8月10日、印刷部数公表を公表した( 日本雑誌協会印刷部数公表)。今回はこれからJR時刻表の今後について見ていく。
JR時刻表、日本雑誌協会の印刷部数公表から脱退へ
JR時刻表は2020年度を以て日本雑誌協会印刷部数公表から脱退した。
そもそも日本雑誌協会の印刷部数公表は名だたる雑誌が名を連ねているが、脱退するのは極めて珍しいし、前例がない。
この印刷部数公表では1号平均の印刷部数がわかる。自称の印刷部数は各出版社がいくらでも水増しできるのだが、この日本雑誌協会の印刷部数公表では印刷部数を証明する必要があるため、出版業界ではかなり信頼性の高い印刷部数として認知されている。
日本雑誌協会の印刷部数公表によれば、JR時刻表は2008年度にはダイヤ改正のない月でも毎月15万部程度売れていたが、2020年度には月5万部を割る月も出ていた。つまり、12年間で3分の1にまで発行部数が減っているのである!(ちなみに半減期約9年)
そもそもJR時刻表はみどりの窓口などに設置しているため、主な購入者はJR旅客各社である。しかし旅客減による各社赤字化により2021年9月上旬時点でみどりの窓口が複数ある駅においても2か月前の7月号を配置し続けるなど購入予算すらなくなってきている。
交通新聞社発行の時刻表では2021年に文字な大きな時刻表を季刊化したことを考えると、そうなるとJR時刻表の季刊化・休刊・廃刊は近いのではないだろうか?
ほかの時刻表も相次ぐ季刊化・休刊・減ページへ
なおこのほかの交通新聞社発行の時刻表としては、2021年8月号を以て小型全国時刻表が無期休刊(事実上の廃刊)となったほか、2022年よりコンパス時刻表は税込780円から800円に、MyLINE東京時刻表も税込1,100円から1,200円に値上げしたほか、JR版西日本時刻表は税込620円で据え置いたもののJR東海エリアは全掲載から愛知・三重・岐阜の3県に絞ったほか、JR東日本エリアもほとんど掲載取りやめ(掲載しても主要駅のみ掲載)としたことでページ数を約15%減らしている。
さらに交通新聞社では2015年にデジタルJR時刻表サービスを開始、案内用の時刻表を冊子からタブレットに移している。
もっとも物価も上がっているため値上げするのは致し方ないし値上げしてでも存続すれば問題はないのだが、掲載範囲を縮めページ数を減らしたり休刊・廃刊が続いているのは時刻表文化の存亡の危機に立たされていると言っても過言ではない。
なおJTB時刻表はそもそも日本雑誌協会の印刷部数公表には参加していない。もっともJTB時刻表の前身である国鉄監修交通公社の時刻表は1986年11月号で月200万部を売り上げたとされているが、JTB時刻表も発行部数はJR時刻表と同程度とされており、ダイヤ改正のない月は月5万分程度しか印刷しておらず40分の1にまで減ってしまっているようだ。
こちらも部署統合により時刻表専門部門ではなくなくなったことから近い将来廃刊が考えられるのではあるが、100周年目前のためあと3年間は刊行し続ける可能性は高い。
このあたりのお話は某テレビ局から取材も受けているのだが、3か月経った今でも収録予定がないのである!おいおい、本当に滅びるぞ時刻表。
時刻表はみなさんのお買い求めで支えられています。買わなくなったら時刻表文化は滅びます。
そこで皆さんへお願いがあります。
同情するなら時刻表を買え!
同情するなら時刻表を買え!
同情するなら時刻表を買え!!!!!
結び
今回のJR時刻表の日本雑誌部数公表からの脱退は、日本の時刻表の廃刊に向けた動きを加速させるものであり、時刻表文化が日本から消えてもおかしくない状況となっている。
今後時刻表を存続するための手段は私でも尽くしてはいるが、今後どのような動きになるかは着目してゆきたい。
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