北総鉄道は2021年11月19日、プレスリリースにて2022年10月1日に運賃改定を行うと公表した( 北総線の運賃値下げを実施いたします(2022年10月1日実施予定) )。また京成電鉄は2021年11月19日、プレスリリースにて2022年10月1日に京成成田空港線で運賃改定を行うと公表した( 成田空港線 鉄道旅客運賃の一部値下げについて )。今回はこれらについて見ていく。
北総線で大幅値下げへ!
今回の2022年10月1日北総鉄道運賃改定では、運賃を大幅に値下げする。
近年鉄道各社では運賃や料金の引き上げを図っており、東京都市圏各社では相次いで鉄道駅バリアフリー料金制度による運賃引き上げを2023年に実施する予定のほか、近隣の新京成電鉄でも北習志野~京成津田沼間の特定運賃IC168円を所定の運賃178円に引き上げる。が、北総鉄道では長年高額だった運賃の打開策として沿線自治体の鎌ヶ谷市や白井市が補助金を拠出することにより値下げを図ることとした。
今回の運賃改定で定期外は11.6%、通勤定期は13.8%、通学定期は64.7%の大幅な値下げを行う。
ただ、北総鉄道では消費税率改定のほかに2015年2月10日に定期外で2.2%、通勤定期で0.5%の本体価格の値上げを行っている。
そこで前回の運賃引き上げを含めた過去8年間の運賃変遷を置く(以下の表は横スクロールできます)。
改定日 営業キロ(km) |
2014/4/1 消費税率改定 |
2015/2/10 本体価格値上げ |
2019/10/1 消費税率改定 |
2022/10/1 本体価格値下げ |
値下げ率 | 高砂から | 東松戸から | 新鎌ヶ谷から |
1~3 | 195 | 199 | 203 | 188 | 7.4% | 新柴又 | 松飛台・大町 | |
4~5 | 299 | 303 | 309 | 279 | 9.7% | 矢切・北国分 | 西白井 | |
6~7 | 360 | 369 | 376 | 330 | 12.2% | 秋山・東松戸 | 新鎌ヶ谷 | 白井 |
8~9 | 432 | 441 | 449 | 379 | 15.6% | 松飛台 | 西白井 | 小室 |
10~11 | 494 | 504 | 513 | 427 | 16.8% | 大町 | 白井 | |
12~14 | 556 | 570 | 580 | 475 | 18.1% | 新鎌ヶ谷 | 小室 | 千葉NT |
15~17 | 617 | 631 | 643 | 546 | 15.1% | 西白井 | 千葉NT | 印西 |
18~20 | 669 | 683 | 696 | 617 | 11.4% | 白井・小室 | 印旛 | |
21~23 | 710 | 729 | 742 | 669 | 9.8% | 印西 | ||
24~26 | 740 | 759 | 773 | 720 | 6.9% | 千葉NT | 印旛 | |
27~29 | 772 | 791 | 806 | 768 | 4.7% | 印西 | ||
30~33 | 802 | 821 | 837 | 811 | 3.1% | 印旛 |
単位:円
今回の運賃改定では、中距離が一番値下げ幅が大きく最大105円値下げとなるのに対し、長距離になるにつれてだんだんと割引率が縮小する。
高砂から見た際に新鎌ヶ谷や白井市内へは大きく値下げをしている一方で、印西市方面の千葉ニュータウン中央や印西牧の原、印旛日本医大への運賃値下げはそれほど多くない。もっとも新鎌ヶ谷から東武野田線経由、東松戸からJR東日本武蔵野線経由で東京や日本橋に向かう方が圧倒的に安いのでその競合策ともとれるのだが、一方で東松戸や新鎌ヶ谷から印西市内への運賃が大きく値下がりしていること、前回の2022年2月26日北総鉄道ダイヤ改正で平日朝夕の高砂~新鎌ヶ谷間の減便や土休日朝の新鎌ヶ谷始発終着列車を設定していることを考えると、かえって高砂経由京成押上線・都営浅草線利用より東松戸乗り換えや新鎌ヶ谷乗り換えを推奨しているようにさえ見えてしまう(もっともアクセス特急を拾えば東松戸乗り換えや新鎌ヶ谷乗り換えより20分程度早く着くし、北総線普通でも10分程度早く着けるのだが)。
これは運賃値下げのための補助金拠出を人口横ばいの鎌ヶ谷市と白井市が多くお行ったのに対し、高額運賃でも人口が大きく伸び続けている印西市は補助金の拠出を大きく行わなかったためである。
おかげさまで高砂~印旛日本医大間は今回の運賃改定で811円に値下げするが、2014年4月1日運賃改定時の802円から消費税率を8%から10%に引き上げると817円となる。そう考えると、高砂~印旛日本医大間の普通運賃に限ってはほぼ元に戻っただけである。
もっとも通勤1か月定期は前回の2015年2月10日運賃改定で最大180円しか値上げしなかったところ今回は最大4,720円、最遠の高砂~印旛日本医大間でも1,340円の値下げを行っていることから、2014年以前よりも大きく値下がりしている。
なお今回の運賃改定では、成田湯川、空港第2ビル、成田空港発着の普通運賃や通勤定期の運賃は据え置く。京成成田空港線で値下げをしても移動資金に余裕のある空港利用目的利用者が恩恵を受けるだし、場合によっては京成本線経由よりも安くなってしまうので、ただ収入が減ると考えたのだろう。
なお北総鉄道では2022年11月下旬に増発を目論んでいる。運賃値上げと増発で需要喚起をしたいようだが、また新鎌ヶ谷~印旛日本医大間のみの増発となればかえって旅客が逃げてしまうだろう。
通学定期券の大幅値下げで京成本線並みへ!
また今回の2022年10月1日北総鉄道運賃改定では、京成成田空港線区間も含め通学定期運賃を大幅に値下げする。
これまで通学定期は普通運賃や通勤定期同様京成成田空港線運賃(成田湯川、空港第2ビル、成田空港発着)は北総鉄道よりも割高に設定していた。が、今回の運賃改定で通学定期は北総鉄道のみならず京成成田空港線でも値下げし、京成成田空港線を北総鉄道と同じ通学定期運賃とする。
が、この通学定期券の運賃はほぼ京成本線の通学定期運賃と同水準にまで大幅に値下げすることとしたのである。
おかげさまでほぼ全区間で半額以下となる。
もっとも高砂~印旛日本医大間の北総鉄道区間沿線区間は子育て支援などの思惑もあると思われるが、成田湯川、空港第2ビル、成田空港発着においても通学定期を値下げすることで、通学需要を安価に抑えるようだ。
結び
今回の2022年10月1日北総鉄道運賃改定では、補助金の拠出により運賃の値下げを図ることとなったほか、通学定期は京成成田空港線も含め全線で京成本線並みに大きく値下げすることとなった。
今後運賃値下げした北総鉄道や京成電鉄でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。
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