常磐線偕楽園駅に営業キロ設定で運賃値下げへ! JR東日本運賃改定(2023年2月11日)

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常磐線偕楽園駅に営業キロ設定で運賃値下げへ! JR東日本運賃改定(2023年2月11日)

JR東日本は2022年10月21日、プレスリリースにて2023年2月11日より常磐線偕楽園駅に営業キロを設定すると公表した( 冬の臨時列車のお知らせ )。今回はこれについて見ていく。

1. 常磐線偕楽園駅に営業キロ設定へ!

今回の2023年2月11日JR東日本運賃改定では、常磐線偕楽園駅に営業キロを設定する。

これまで偕楽園駅には営業キロの設定がないため、1つ先の駅までの営業キロを基に運賃を算出しており、上野・土浦・小山方面からは水戸までの営業キロで、水戸・いわき方面からは赤塚までの営業キロで算出することから、実際に乗車する区間より長い距離で算出していた。が、今回の偕楽園駅営業キロ設定により偕楽園駅発着の営業キロで算出するようになった。

今回設定する営業キロは赤塚~偕楽園間で4.1km、偕楽園~水戸間で1.9kmとなっている。これにより東京からの営業キロを119.2kmに設定する。

これに伴い一部区間で運賃の値下げを行う。

今回の運賃改定で水戸~偕楽園間のきっぷの運賃は190円から150円に、土浦~偕楽園間の運賃は990円から860円に、いわき~偕楽園間は1,980円から1,690円に、東京山手線内~偕楽園間は2,310円から1,980円にそれぞれ値下げすることとなった。

なお偕楽園駅は下り(水戸・いわき方面)にしかホームがないため、上り列車を利用する際には同一乗車券での赤塚や水戸での折返し乗車が認められる。




2. なぜ今の時期に運賃値下げを図るのか

今回の2023年2月11日JR東日本運賃改定では常磐線偕楽園駅に営業キロを設定した。

そもそも偕楽園駅に営業キロがなかったのはJR東日本の前身日本国有鉄道が仮乗降場として設置し、仮乗降場には営業キロを設けることは原則なかったためである。

もっとも国鉄時代に仮乗降場だった駅が分割民営化しJR旅客各社となった際に営業キロを設けたところは多いが、国鉄のサービスを維持するという面においては必ずしも必要ではなかった。

が、これで得られる効果は運賃据え置きか値下げであり、JR東日本にとっては減収となる。

もっとも東京・上野から水戸までの乗車券を持っていれば偕楽園で精算済証をもらえば偕楽園で事実上の途中下車(同一乗車券再入場)ができたではないかという人もいるだろうが、2022年までは通しで2,310円かかるところを2023年以降は1,980円と150円を合わせた2,130円に抑えられるので、途中下車(同一乗車券再入場)ができなくなってもかえって180円安くなるのである。

しかも偕楽園駅は首都圏Suicaエリアにあるため、Suicaにも新たに運賃データを設定しなくてはならない。しかも首都圏エリアは600駅もあり、他のデータに干渉しないようにするために営業時間外に各種テストも行わなければならない。よってこの運賃データ変更だけで1億円程度がかかる。

そう考えるとこれまでJR東日本発足から35年守ってきた偕楽園駅への営業キロ不設定をSuicaの運賃データを改修してまでわざわざコストをかけて運賃値下げを行うとはよほどの理由がある限り行わないだろう。

そうなると、何か増収につながるものの引き合いとして今回の常磐線偕楽園駅の営業キロ設定を行うこととしたのではないだろうか。




そもそもJR東日本は2020年からの旅客大幅減により、赤字を解消するためグリーン料金を値上げしたほか鉄道駅バリアフリー料金制度による10円加算を行っているほか、特急料金の最繁忙期400円増しの導入オフピーク定期券導入により収入総額を変えないとしつつも多客時のみに必要な車両を削減することで費用を下げて収益を確保しようとしている。

が、グリーン料金の値上げ届出以外は全て新制度であり、この新制度を実現するべく太いパイプを使って国土交通省に働きかけている。

が、山形新幹線秋田新幹線特急料金制度に端を発する鉄道事業法違反疑い・恐れのある事象が少しずつ発覚している。国の期間である国土交通省としては極力違法性を疑われる制度は極力少なくしたい。そこでJR東日本の複数の新制度を受け入れる代わりに、既存の鉄道運賃料金制度にて違法性を疑われる区間の是正を図っているのではないだろうか。

そう考えると残るJR東日本管内での運賃収受に違法性の恐れがある区間はどこになるのだろうか。それは、湘南新宿ラインは相鉄JR直通線の大崎~西大井間である。

湘南新宿ラインや相鉄JR直通線では大崎の次は西大井であるが、営業キロ上は品川を経由する。このため大崎~西大井間は実際には2.5kmしかないのに営業キロは品川経由の5.6kmとなっている。このためIC運賃も136円ではなく157円となっている。

しかも2019年11月30日JR東日本ダイヤ改正により相鉄JR直通線が営業運転を開始したことから、武蔵小杉・西大井から品川方面へ向かう横須賀線より大崎方面へ向かう湘南新宿ライン・相鉄JR直通線の方が運転本数が多くなってしまったのである。このことから大崎~西大井間に営業キロ2.5kmを設定して値下げすべきではないかとは思うが。

これにより大崎~西大井間は品川経由の5.6kmより3.1km短縮するほか、大崎~鶴見・横浜・羽沢横浜国大前間も川崎・品川経由より0.2km短くなる。


3. 結び

今回の2023年2月11日JR東日本運賃改定では、常磐線偕楽園駅への営業キロ設定に伴い偕楽園発着の運賃を一部区間で値下げすることとなった。

今後JR東日本管内でどのような運賃料金改定を図るのか、そしてどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。

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