東京電車特定区間拡大で駅バ料金増収へ! JR東日本運賃改定予測(2026年3月予定)

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東京電車特定区間拡大で駅バ料金増収へ! JR東日本運賃改定予測(2026年3月予定)

JR東日本は2024年6月4日、各種新聞記事にて2025年末に運賃改定を行うと公表した。今回はこれについて見ていく。

2025年4月1日JR西日本電車特定区間拡大に伴う運賃改定はこちら!

東京近郊でも電車特定区間拡大へ!

2025年4月1日JR西日本運賃改定では、大阪近郊で電車特定区間の拡大を図ることで運賃改定を図ることとなった。

このJR西日本の電車特定区間拡大は「国鉄時代からの複雑な運賃体系の解消」を口実としており、JR東日本も同様の理由運賃改定を行うとしている。つまり2025年度末、おそらく2026年3月実施のJR東日本運賃改定でも電車特定区間の拡大を行うのだろう。

JR西日本では電車特定区間の拡大後も運賃の収入は変えないとしているが、電車特定区間内では鉄道駅バリアフリー料金制度10円を別途加算していることから、この料金部分に増数を図ろうとしたもので、JR西日本では年間19億円の増収を見込んでいる。つまり電車特定区間の拡大で運賃は据え置きも料金収受区間拡大で増収できるというわけだ

しかも新たに電車特定区間になったエリアでは定期券及び15km超の普通乗車券で値下げとなることが多いので、沿線自治体からは希望の声が大きい。遠距離の運賃値下げをかなえ、かつ鉄道事業者の増収を図ることができる、そんな理想郷が電車特定区間の拡大である




JR西日本が新たに電車特定区間に追加したのは、原則従来の大阪電車特定区間から連続する複線区間の昼間時4本以上の区間となっている。もっとも関西本線奈良~木津間のように複線で毎時5本運転しても電車特定区間とならなかった区間もある一方、車庫があり私鉄との競合もあるという理由で昼間毎時3本ながら新電車特定区間に選ばれた山陽本線姫路~網干間などもある。

JR東日本でも同様の基準で行うとなれば、以下の区間が新電車特定区間に該当しそうだ。なお可能性がやや下がるものについては括弧書きとしている。

2026年3月より新たに電車特定区間に編入する可能性の高い線区は以下の通り。

  • 東海道線 大船~小田原間
  • 川越線 大宮~日進(~川越)間
  • 高崎線 大宮~籠原(~本庄~高崎)間
  • 宇都宮線 大宮~古河(~小金井~宇都宮)間
  • 常磐線 取手~土浦間
  • 総武線 千葉~佐倉間
  • 外房線 千葉~茂原間
  • 内房線 蘇我~君津間
  • 京葉線 千葉みなと~蘇我間

ではそれぞれの区間について見ていこう。




東海道線は小田原まで電車特定区間拡大確実か!

まずは東海道線。

東海道方面は横須賀線は終点久里浜まで全区間電車特定区間なのに、東海道本線は横須賀線が分かれる大船までが電車特定区間でそこから先の藤沢・茅ヶ崎・平塚方面は幹線運賃となっている。小田急電鉄と競合しているのに運賃が割高な情勢だ。

東海道線は複線で2024年時点でも大船~平塚間は昼間毎時8本、平塚~小田原間は毎時5本、小田原~熱海間は毎時3本の運行がある。しかも小田急電鉄とは小田原まで競合していることを考えると、東海道線大船~小田原間の電車特定区間編入は確実な情勢だ

一方、小田原~熱海間も新電車特定区間に編入すると静岡県までエリアが拡大するほか、その先の三島~沼津間の方が隣駅間輸送密度が高いことを踏まえるとJR東海も絡まざるを得なくなる。そう考えると熱海への電車特定区間はほぼないと言っていいだろう。




高崎線・宇都宮線で電車特定区間大幅拡大へ!

次に高崎線・宇都宮線。ともに埼玉県民によって広く使われており、埼玉県から割安な電車特定区間への編入要望もある。

高崎線は全線複線で大宮~熊谷~籠原間は昼間毎時5本、籠原~高崎間は昼間毎時3本運転している。また宇都宮線は複線で大宮~古河間は昼間毎時5本、古河~小山~小金井間は昼間毎時4本、小金井~宇都宮間は昼間毎時3本運転している。

もし複線で昼間毎時4本以上の区間を電車特定区間とするのであれば高崎線大宮~籠原間および宇都宮線大宮~小金井間を新電車特定区間とすべきなのだが、そうもいかない事情がある。というのも、籠原は埼玉県内なのに対し、小金井は栃木県内である。逆を言えば栃木県内に電車特定区間があるのに、群馬県内には電車特定区間がないことになる。おいおい、ほぼ同じ人口規模の群馬と栃木で電車特定区間が1駅でもあるかないかでいざこざ起きないかこれ。

ということでもし栃木県内に電車特定区間を拡大した際に群馬県内まで拡大する必要がどうも生じそうなのだが、そうなった時高崎線は高崎まで電車特定区間を広げることに安るだろう。そうなると宇都宮線でほぼ同規模の駅は宇都宮駅なので宇都宮線も宇都宮まで電車特定区間を拡大することになるし宇都宮は県庁所在地であるから群馬県も県庁所在地の前橋駅まで電車特定区間を拡大した方が良いのではないかということになりかねない。おいおい堂々巡りすぐではないか。

そう考えると群馬県や栃木県内は電車特定区間にしない方が無難で、電車特定区間の拡大は高崎線大宮~籠原間および宇都宮線大宮~古河間に抑えた方がいいだろう

ただ宇都宮線は古河まで電車特定区間とすれば埼玉県内全区間が新電車特定区間に入るのに対し、高崎線は籠原より先の深谷・本庄まで埼玉県内であるため新電車特区低区間からもれてしまう。このため政治的事情により高崎線の新電車特定区間は大宮~本庄間に拡大してもかしくはなさそうだ。




日本一輸送密度の高い単線川越線で電車特定区間の拡大なるか!

次に川越線。

川越線日進~川越間は2019年12月15日の東武野田線柏~船橋間の複線化完成以降日本一輸送密度の高い単線である。お願いだから複線化してくれよJR東日本。

それほどの需要があるが、10両編成で運転するため昼間は毎時3本しか運転がない。東武鉄道だったら5両編成内時6両編成で毎時6本は運転しただろうに。

また川越は東武東上線や西武新宿線が通っており、川越線と直通する埼京線が競合関係にある。そう考えると運賃値下げのために川越線大宮~川越間が新電車特定区間に編入してもおかしくはない

ただ、JR西日本の条件と一致しないのは川越線はほとんどが単線であること。JR西日本では近鉄京都線と競合するJR奈良線でも単線区間を含む城陽~奈良間は新電車特定区間から外している。そう考えると新電車特定区間に選ばれない可能性もありそうだ。




常磐線電車特定区間拡大で交流電化区間もエリア内へ!

次に常磐線。2024年現在茨城県に入る取手まで電車特定区間だが、さらに拡大しそうだ。

というのも取手~土浦間は昼間も毎時3本の運転があり、つくばエクスプレスとも競合関係にある。そう考えると多少運転本数は少ないものの常磐線取手~土浦間は新電車特定区間に入ると見ていい。これにより交流電化の電車特定区間が誕生することとなる

一方土浦~水戸間は昼間は毎時2本しか運転がないほか5両編成に減車したし土浦で系統分割し乗り換えが必要となったため電車特定区間に入ることはないだろう。

総武線の電車特定区間拡大は成田空港まで行くのか?

次に総武線。2024年現在千葉までが電車特定区間となっているが、こちらも拡大見込がある。

千葉~佐倉間は昼間毎時4本運転しており複線であることから新電車特定区間になってもおかしくはない。ただ、佐倉の先には成田空港もあるのである。

成田空港が新電車特定区間に編入するとなれば成田空港発着の運賃が安くなり京成成田空港線との競合に有利になる。また利用者数が多いため電車特定区間拡大による鉄道駅バリアフリー料金増収につなげることができる。JR西日本も電車特定区間拡大に際し関西空港まで入れるくらいだ、成田空港が電車特定区間内にはいてもなんらおかしくはない。

ただ関西空港と線形上の違いがある。それは成田空港の2つ手前成田まで東京から向かう線路が総武線回りと常磐線回りの2つの経路があることだ。特急「成田エクスプレス」や総武快速は総武線回りなのに対し、上野~成田間の特定運賃は常磐線回りにかけているものである。そうなると総武線回りだけでなく常磐線回り我孫子~成田間も電車特定区間に入れる必要が生じるが果たして。

京葉線蘇我まで電車特定区間拡大へ!

次に京葉線。2024年現在千葉みなとまでが電車特定区間で京葉線の終点蘇我まで1駅だけ足りない状況だが、これが電車特定区間を蘇我まで延伸することで京葉線全線が電車特定区間となる見込みだ。

そもそも電車特定区間の元となった国電区間とは国鉄線のうち4ドアトイレなしロングシート車両が乗り入れる区間のことを指していたので、各駅停車にトイレの設置がない京葉線は蘇我まで電車特定区間に入ってしかるべしである。

ではなぜこれまで電車特定区間に入っていなかったかというと、総武線の電車特定区間が千葉まででその先の内房線・外房線が電車特定区間外であったために内房線・外房線が乗り入れる蘇我まで電車特定区間に編入することができず1駅手前の千葉みなとまでとした経緯がある。が、内房線・外房線千葉~蘇我間は昼間毎時6本も運転していることから新電車徳手区間入り確実なため、合わせて京葉線も全線電車特定区間に編入となりそうだ。

内房線・外房線はどこまで電車特定区間に入るのか?

次に内房線・外房線。

先述したように千葉~蘇我間は新電車特定区間への編入はほぼ間違いない情勢だがその先はどうだろうか。

内房線の昼間の運転本数が蘇我~君津間で毎時3本に対し、外房線は蘇我~大網間で昼間毎時4本、大網~茂原間で昼間毎時3本、茂原~上総一ノ宮間で毎時2本となっている。私鉄の京成千原線との競合(といってもJR外房線が圧勝している)を踏まえても拡大するのは外房線蘇我~大網間だけな気もするが、そうなると内房線と外房線で区間指定がアンバランスすぎる。

ただ総武線は佐倉まで電車特定区間が拡大する見込みなのに内房線・外房線が蘇我までというのは短すぎる。そう考えると内房線は君津まで。外房線は茂原まで電車特定区間としてもおかしくはないだろう。

相模線・八高線は電車特定区間への編入なしか

あとは相模線と八高線。

ともに1990年以降に電化した路線であるが、ともに単線でトイレなし4ドアロングシート車両による運転だが、相模線は4両編成昼間毎時3本、八高線八王子~高麗川間は4両編成昼間毎時2本しか運転がない。また直接競合する私鉄もない。

そうなると相模線・八高線の電車特定区間への編入はないだろう。




既存の電車特定区間で10円~20円値上げも特定運賃据え置きへ!

ただ今回の2026年3月JR東日本運賃改定で電車特定区間を拡大する場合、運賃部分の収入は変えないようにすることから既存電車特定区間では値上げを図ることとなる。

ただし初乗り運賃は幹線運賃でIC147円のところ電車特定区間はIC146円のため、値上げしても1円しか上げられない。

またIC運賃が1円単位で設定可能なため、かなり多様な運賃設定で運賃部分の収入を同額にするためにありとあらゆる工夫をするだろう。

なおJR西日本の電車特定区間内運賃値上げ時には特定運賃は運賃を据え置いたことから、電車特定区間値上げにより特定運賃区間では内方区間の拡大可能性がある。たとえば新橋~鎌倉間は49.1kmでIC824円でもし値上げしようものなら844円程度になりそうだが、それより外側の新橋~田浦間は特定運賃IC824円がかかっているため品川~鎌倉間も特定運賃IC824円となり運賃据え置きとなる。

山手線内廃止で最大50円値上げへ!

最後に山手線内。電車特定区間の拡大に合わせ山手線内運賃を電車特定区間運賃に合わせる可能性が高い。

もっとも山手線内と電車特定区間運賃は10kmまで定期券を含め同一なので10円程度の値上げで済むだろうし初乗り運賃は最大でも1円値上げのIC147円なので大きな問題ではない。問題は10km超の区間である。

JR西日本が大阪環状線・桜島線運賃を電車特定区間運賃に統合する際、大阪環状線・桜島線10km超15km以内の区間を210円から240円に値上げすることとしているが、これで影響を受ける区間は大阪~天王寺間や京橋~ユニバーサルシティ間などごくわずかに留まり限定的だったほか、値上げしても地下鉄のOsaka Metroよりも安く済んでいた。

ただ、山手線内で同様のことをすると10km超15km以内はIC208円から240円程度に32円値上げ、15km超20km以内はIC274円から328円程度に54円も値上げすることとなる

しかも山手線は大阪環状線より路線長が長いので10km超15km以内の区間が多いほか、15km超20km以内の区間も品川~池袋間などいくつか存在する。

さらに地下鉄の東京メトロや都営地下鉄はOsaka Metroより安いため、JR10km超の区間で負ける可能性があるほか、15km超の区間ではまず地下鉄に負けると言っても過言ではない。

さすがに山手線での大幅な運賃値上げは違うのではとも思うが。


結び

今回の2026年3月JR東日本運賃改定では、電車特定区間の拡大により郊外区間で運賃値下げとなる一方で、電車特定区間の拡大で鉄道駅バリアフリー料金制度徴収区間も拡大することで増収を図ろうとしている。

今回の運賃改定を踏まえJR東日本でどのようなダイヤ改正を実施していくのか、見守ってゆきたい。

2025年4月1日JR西日本電車特定区間拡大に伴う運賃改定はこちら!

関連資料 – 京阪神都市圏における運賃体系の見直しについて – JR西日本

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