小田急ロマンスカーが出てこない!? 乗り換え検索サイト・アプリでは新幹線・有料特急が88km超でないと優先的に出ない

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小田急ロマンスカーが出てこない!? 各種乗り換え検索サイト・アプリでは新幹線・有料特急が88km超でないと優先的に出ない

今では新幹線を含む鉄道旅行をする際に多くの人が利用するようになった乗り換え検索サイトや乗り換え検索アプリ。

乗車駅と降車駅、出発時刻または到着時刻を入れると検索結果を自動で表示してくれます。

ただ、1つ落とし穴があり特に私鉄各社は困っています。今回は駅探、ジョルダン乗換案内、Yahoo!乗換案内、駅すぱあと、ナビタイムの5つの乗り換え検索サイト・乗り換え検索アプリの検索結果から、なぜこのようなことになったのか見ていきましょう。

検索結果での有料特急の表示

検索結果は、場合によって料金が必要な新幹線を含む有料特急を表示する場合としない場合があります。

各種乗り換え検索サイト・アプリでは、新幹線や有料特急の利用が88km以内の場合、安い順や楽な順と称して料金の不要な列車を優先表示させます。時間順で検索して30分以上早く着くことができたとしても新幹線や有料特急の利用が88km以内の経路しかない場合は優先的に表示されず、別タブや一番下に表示されます。

なおこの新幹線や有料特急を優先表示させる距離は駅探やナビタイムは90km超、ジョルダン乗換案内やYahoo!乗換案内や駅すぱあとでは88km超としているようです

このため池袋~西武秩父間の営業キロが76.8kmしかない西武池袋線特急「ちちぶ」、難波~極楽橋間の営業キロが64.8kmしかない南海高野線特急「こうや」は全区間で優先表示されません

もっとも一番上に表示されなければ推奨する経路ではないと思われがちなので、有料特急の利用を敬遠する人が出ています。たとえ時間順で検索しても一番上には掲載されないわけですから。




とはいえ一番下や早い順にて表示してくれればまだいいのですが、そうもいかないことがあります。

新宿から箱根湯本で検索してみます。もっとも多くの人は小田急特急ロマンスカー「はこね」の利用を想定していると気づいていただけるかと思いますが、いざ検索してみると、駅探やナビタイムの場合新宿~箱根湯本間は88.4kmしかないため有料特急が参考としてしか表示されません。しかも途中の小田原へは東海道新幹線が通っていることから参考結果としてまず出てくるのは品川~小田原間で東海道新幹線「こだま」を利用するルートで、参考結果が1つしか出せない駅探は小田急特急ロマンスカーが出てきません。本当にどうやって駅探の検索結果に出すんだ特急ロマンスカー。これ小田急電鉄は本当に怒っていいと思う(逆に特急スカイライナーをきちんと検索結果に出せる京成電鉄…)。

なお駅探以外の他社は88km超で分けているようなので、新宿~箱根湯本間の検索で小田急特急ロマンスカー「はこね」は表示されます。ただ、小田急電鉄で一番長い区間である新宿~小田原間は82.5kmで88km以内のため、どの乗り換え検索サイト・乗り換え検索アプリでも優先表示されず、一に小田急快速急行、二に東海道新幹線利用が表示されることが多いです。

おかげさまで2020年以降有料特急を運転する各社でも運賃を続々改定しています。娯楽目的の観光客が各種乗り換えサイト・アプリにとらわれて有料特急に乗らないためどんどん特急利用者数が減少、通勤利用の減少のほかにも減収分を補うために本当に生活に必要な沿線住民へ運賃を値上げするという形で負担を強いているのです。

つまりこの各種乗り換え検索サイトが必要な区間で有料特急表示を優先的にしないことで、日本の鉄道事業が立ち行かなくなってきているのです




なお一部例外もあります。駅探やナビタイムでは成田空港・空港第2ビル発着で、有料特急利用距離が50km超で第1検索結果に表示されます。ちなみに関西空港・中部国際空港・宮崎空港はいずれも有料特急利用距離が90km超でないと第1検索結果に表示されませんでした。

またジョルダン乗換案内、Yahoo!乗換案内、駅すぱあとでは、一部エリアで60km超で有料特急を優先出力させているようです(松本~長野間など)。




なぜ90km以内では有料特急を優先表示しないようにしているのか

ではなぜ88kmないし90km以内では有料特急を優先表示させないようにしているのでしょうか。

そもそも短距離で新幹線や有料特急を表示させない理由としては、コストパフォーマンスに合わないためです。東京~品川間の利用で山手線なら168円で行けるところを東海道新幹線の1,040円が一番上に表示されてはたまったものではありません。

ただ、東京~新横浜や小田原であれば新幹線や有料特急を使いたい人もいるかもしれません。そこで参考結果として別タブや検索順位が下の方にに表示しています。

ただ、88kmないし90km以上の連続利用でないと新幹線や有料特急が優先出力されない事情にはどのようなことがあるのでしょうか。88kmや90kmという数字にはどのような根拠があるのでしょうか。

この一番大きな理由とされているのが、JR西日本神戸線の新快速です。

新快速は料金不要ながらも滋京阪神130km/hで運転する列車で、関西で新快速は天下を取るほどの列車です。

この高速さゆえ大阪~姫路間を1時間03分で駆け抜けます。大阪府内の新幹線駅は新大阪駅なこともあり、大阪から姫路に行く際にはほとんどの人がJR神戸線新快速を利用します。

この大阪~姫路間の営業キロが87.9kmとなっており、10km未満を切り上げれば90kmとなります。これが駅探・ナビタイムで90km以内では新幹線・有料特急が優先表示されない理由です。

ただ、90km以内で新幹線や有料特急が表示できないと、先述したように小田急特急ロマンスカー「はこね」が新宿~箱根湯本間で88.4kmしかないがゆえにどこでも表示されないという事態になりかねません(というか駅探では実際にそうなっている)。ので、気を利かせたジョルダン乗換案内やYahoo!乗換案内、駅すぱあとでは90km超ではなく、大阪~姫路間の87.9kmと新宿~箱根湯本間の88.4kmの間にある唯一の整数である88km超で新幹線や有料特急を優先表示させることとしているようです。

ちなみに駅探で大阪~姫路間を検索すると、新大阪~姫路間を山陽新幹線で利用するルートが一番上に出てきます。これは新大阪~姫路間が91.7kmで90km超だからなのですが、検索アルゴリズムがあまりにもひどすぎやしませんか。




有料特急に乗ってくれる打開策はいかに

とはいえ、新幹線や有料特急を優先表示させない距離が90km以内より88km以内の方がマシということはわかりました。が、本当に88km以内で良いのでしょうか?

先述したように、西武池袋線特急「ちちぶ」や南海高野線特急「こうや」は、運転区間の短さから優先結果として表示されません。もっとも西武池袋線であれば池袋~飯能間、南海高野線であれば大阪難波~林間田園都市間は料金不要の急行などの方が良いでしょうが、西武秩父や極楽橋へは料金を払っても特急を利用する人が多いでしょう。

もっとも沿線住民はどの程度から特急を使えばいいかある程度の相場が分かりますが、観光客にはそれが分かりません。もっとも「ちちぶ」も「こうや」も特急列車としては素晴らしく観光客も楽に移動できるわけですが、乗り換え検索サイト・乗り換え検索アプリで優先表示されず、乗り換えの多い経路が表示され示された通りの列車に乗ることで遠さと面倒さを感じてしまい観光に行きにくくなるのです。こうして秩父や高野山に訪れる人が減って運賃収入も減って観光地も売り上げが伸び悩む負の悪循環が生まれ、私鉄各社は特急料金収入をうまく得られず、運賃の値上げに進みつつあるのです。

また短距離で料金が必要な列車が表示されないことから、短距離だった富山地方鉄道の特急の廃止や秩父鉄道急行「秩父路」の料金無料化になった一因との説もあります。また2023年3月18日東武鉄道特急料金改定で90kmを境界に料金区分を分けたのもこの件が影響しているといわれています。

そう考えると、この新幹線・有料特急が88km以内で優先出力されない問題は一種の社会問題と言っても良いでしょう

とはいえ東京~品川や新横浜の利用で東海道新幹線の結果ばかり並ぶのもそれはそれで使い物にはなりません。その新幹線や有料特急を検索結果として優先的に出す境界の設定はある程度必要です。ただ東京都市圏や大阪都市圏を踏まえても50km超であれば新幹線や有料特急を使うことが多いのではないでしょうか。

これを実現するためには、

  • 有料特急利用距離が50km超で有料特急を優先的に結果を出力すること
  • 例外として50km超でも有料特急を優先しない区間を十数区間設けること

検索アルゴリズムをこれらのように変更して対策をすべきではないでしょうか。


結び

日本の各種乗り換えサイト・乗り換え検索アプリでは88km以内しか利用しない場合、新幹線や有料特急が優先表示されません。

これにより有料特急を運転する鉄道各社は特急利用者の減少による収入減を受けており、1つの社会問題と化しているでしょう。

持続可能な鉄道維持のために、50km超では新幹線や有料特急を優先出力させるべきではないでしょうか。

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