新幹線と在来線の運賃完全打ち切りでみどりの窓口縮小不満解消とネット移行へ!

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新幹線と在来線の運賃完全打ち切りでみどりの窓口縮小不満解消とネット移行へ!

JR東日本は2022年11月8日、プレスリリースにてにて2024年よりQRコードによる乗車券を発券すると公表した( QR コードを使用した新たな乗車サービスの導入について )。今回はこれについて見ていく。

QRコード乗車券をスマホで発券でみどりの窓口要らずに!

今回のJR東日本QRコード乗車券導入は、WEB予約システムえきねっとで購入した乗車券をスマホにQRコードとして表示させ、改札にかざしてきっぷの代替とする。

JR東日本では2010年頃から徐々に長距離きっぷの発券窓口であるみどりの窓口設置駅を減らしているほか設置駅でも営業時間を短縮しているが、えきねっとはスマートフォンから購入できるため長距離きっぷの購入目的のために営業時間内をねらってみどりの窓口に行く必要がなくなる。

もっとも2024年のQRコード乗車券導入時には東北エリアに限るとしているが、今後えきねっと導入エリアに順次広げていくことでしょう。

ただ、えきねっとエリアはJR東日本・JR北海道に限られます。またQRコード読み取り機をたやすくJR東海・JR西日本・JR四国の3社が自動改札機に設置してくれるとも思いません。そして西側JR4社にはe5489という別のネット予約サービスがあります。

つまり全国でQRコード乗車券の導入を行うとなると、東西ネット予約サービスの統合まで視野に入れなければならない大掛かりなものとなります。果たしてそれは現実的なのでしょうか?




世界的にも珍しい新幹線と在来線の同一扱い・運賃通算制度

そもそもなぜ長距離きっぷ購入窓口であるみどりの窓口を多くの駅に設置するに至ったのでしょうか。

もっとも東京・名古屋・大阪の三大都市圏では当初きっぷ窓口でしたが、それだけではさばききれないため長距離きっぷ専門の窓口を分離することとしました。これがみどりの窓口のできたきかっけです。このためみどりの窓口は1970年頃までは三大都市圏以外では県の代表駅程度にしか設置がなく、その他の駅ではきっぷ売り場で長距離きっぷが購入できました。

ただ、その後長距離きっぷ発券ができる窓口をみどりの窓口とし、みどりの窓口でも近距離券を発券できるようにします。これで日本全国津々浦々の駅にみどりの窓口を設置するようになったわけです。

これによりみどりの窓口は新幹線停車駅や在来線特急停車駅のみならず、特急や急行の来ないような駅まで設置していました。が、そもそもなぜ全国津々浦々の駅にみどりの窓口を設置する必要があったのでしょうか?

そもそも、新幹線を含む長距離列車を運行する日本のJR旅客6社は、新幹線も特急列車も普通列車も、地方鉄道も都市鉄道も関わらず全て通算運賃です。

が、世界では都市鉄道では通算運賃制度を採用するも、中長距離列車は列車別に運賃打ち切りです。つまり、世界では都市鉄道と特急列車や地方ローカル線が運賃を通算することがまずありません

このため日本を除く世界では高速列車や長距離列車の停車する駅だけに長距離きっぷ窓口を設置すれば何も問題がありません。都市鉄道とはどうせ別料金ですから。が、日本では全国津々浦々でJR線であれば運賃を通算するため、中長距離列車の停車しない駅にまでみどりの窓口を設置する必要が生じてしまったのです

またこのような世界と異なる運賃通算として問題ない背景として、日本が島国であり他国の鉄道とつながっていないことも挙げられます。もっとも1940年頃まではパリまでの連絡船接続乗車券を発売していたほどなので世界と合わせていたのですが、1945年以降他国との連絡乗車券を売っていません。世界ではハイグレード座席も一等運賃から派生した各種運賃として設定していますが、日本では1966年よりグリーン料金を設定することで一等運賃を廃止、二等運賃に料金加算に制度を変更しました。日本の鉄道運賃制度は世界と切り離されたことでガラパゴス化してしまったのです。

これによりみどりの窓口の集約が困難となり、撤去後もみどりの券売機や指定席券売機などの代替機を置く必要が生じています。コスト的にとても不利です




新幹線と在来線の運賃打ち切りでみどりの窓口を集約できる!

ではいかにして長距離列車と都市鉄道の運賃を分けるのが良いでしょうか。

寝台列車がほとんど姿を消し新幹線網が発達した今、新幹線と在来線で運賃を完全に別算としそれぞれで打ち切るのが合理性としては一番高いです。

実際ネット予約であるJR東海やJR西日本ののエクスプレス予約、JR東日本の新幹線eチケットは新幹線と在来線で運賃をそれぞれ打ち切りで計算しています。

新幹線と在来線で運賃を打ち切る運動は実は20年も前から行っていることなのです。この新幹線には山形新幹線や秋田新幹線の全区間を入れていますが、それを含めても新幹線と在来線を運賃別算としようとしているのです。

が、このネット予約が浸透しない事情があります。それが、みどりの窓口で通しの乗車券を1発で購入できてしまうことです。これによりネット予約だとわざわざ新幹線と在来線の乗車券を分けて購入しなければならないほか高くつくことがあるのです。そしてその失敗を決定づけてしまったいるのが今回のJR東日本のQRコード乗車券による通しの乗車券の導入なのです

が、紙のきっぷでも新幹線と在来線で運賃を別算とすれば、ネット予約と乗車券購入回数を同一にしてネット予約の方が確実に安くなるようにすれば、ネット予約により移行できます

またJR旅客各社が全国通算料金制度を取りやめてしまえば運賃が打ち切りとなる新幹線駅でのみ新幹線乗車券を発売すればよく、そこまで多くの人は近距離乗車券で向かえればいいことから、必ずしも日本全国で新幹線乗車券を発券する必要がなくなり新幹線の停車しない駅でのみどりの窓口の必要性が低下します。もっとも在来線特急の運転もあるのでみどりの窓口の在来線の全廃はできませんが、大きく削減することは可能です。

とはいえ、新幹線と在来線で運賃を別算とすることにメリットは多くあります。それについて見ていきましょう。




新幹線と在来線の運賃を分けるメリット

では>新幹線と在来線の運賃を分けるメリットとしてはどのようなメリットがあるでしょうか。

24時間営業のネット予約から長距離きっぷを購入できる

まず一番のメリットはみどりの窓口からネット予約に移行する人が増えることにより、営業時間に左右されることなくパソコンやスマートフォンから購入できるようになる人が増えます。また近年みどりの窓口に待ち人数発見機を設置する駅が増えるほど待ち時間が長くなっていますが、発券に関わる待ち時間も減らせます。

しかも既存のエクスプレス予約や新幹線eチケットのように紙のきっぷより確実に割安であれば、なおのことネット予約に移行するでしょう。

また、発券経路が簡素化することにより、みどりの窓口でも発券までの手間が減ります。これにより利用者の待ち時間も減るでしょう

これにより利用者の利便性も上がり、鉄道会社側もみどりの窓口の設置窓口数・駅数を減らすことができます。




紙のきっぷでも乗車券の使い方が分かりやすくなる

また、それでもネット予約を利用せずにみどりの窓口・JR全線きっぷうりばを利用する人にもメリットがあります。

新幹線のチケットを購入する際に、新幹線停車駅以外を発着とする場合、乗車券と新幹線特急券の2枚が出てきます。このため、新幹線乗り換え改札では2枚を入れる必要性が出ます。

が、新幹線のチケットを在来線と完全に打ち切ってしまえば、新幹線のチケットは必ず1枚になります。この1枚さえ持っておけば新幹線に乗れることから、きわめてわかりやすくなります。

また、新幹線乗り換え改札自体をなくすこともでき、新幹線の改札は新幹線のチケット1枚で入出上、在来線は日頃の鉄道感覚でICカードなどで利用することができます。新幹線に乗りなれていない人は多いでしょうが、そこらへんの電車に乗りなれている人は多いですからかえって新幹線乗り換え改札をなくして乗換駅で2回改札を通した方が乗客にはわかりやすかったりします(というか新幹線から地下鉄・私鉄への乗り換えは現状でも2回改札通しているし)。

そう考えると、新幹線と在来線のきっぷを運賃別算にすることは紙のきっぷ利用者にもメリットが大いにあるのです

かえって新幹線代が安くなるかも

また、新幹線と在来線を運賃別算とすると、かえって新幹線利用代金が安くなる可能性が高くなります。

運賃は距離によって変わります。近距離ほど安く、遠距離ほど運賃は高くなります。

この距離の基準として営業キロがあります。在来線の場合は道のり1kmを1キロとして算出しますが、新幹線は並行する在来線の線路増としてとらえているため、在来線の道のり1kmを1キロと置いています。

在来線は建設当時の技術力によりカーブを余儀なくされた区間もあります。が、新幹線は在来線より後につくられているほか、高速運行を行うためにカーブをできるだけ少なくし直線区間が多くなっています。これゆえ、新幹線は在来線より距離が短いことが多いのです。にもかかわらず、新幹線の運賃計算は遠回りになりやすい在来線の営業キロ基準で算出しているのです

もし新幹線と在来線の運賃を別算するとなれば、新幹線の距離計算のために在来線の営業キロを使用することができなくなります。そうなると新幹線の1kmが1キロとなりますので、多くの区間で運賃が値下がりするのです

つまり、新幹線と在来線の運賃を別算しても在来線と新幹線を乗り継いだとしても、紙のきっぷのままでも運賃が安くなることが往往にしてあるのです




予約開始がもっと早くできるようになる

そして、新幹線と在来線の運賃を分離すると、新幹線の座席予約開始をもっと早くできるようになります。

現在JR旅客6社が使用している予約システムマルスは、JRの前身国鉄が1960年から使用を開始したものです。その後機器更新は行っているものの、予約有無のデータ入力の原則は60年以上変わっていません。

が、そもそも60年以上前に作られたシステムのため、現在のような大量の列車群たちの予約を入れることで手一杯です。また乗車券の発券システムも担っています。このため1980年10月1日に指定券の発売を1か月前発売開始にしてから、発売開始を繰り上げたことはありません。

一方新幹線と競合する航空機や高速バスはどうでしょう。1か月前どころか半年前から、場合によっては1年前から予約できることもあります。新幹線は先に予約を取ることができないので、混雑期には航空機や高速バスと比べると圧倒的に不利なのです

もし新幹線と在来線で運賃制度を分離すれば、運賃経路検索機能をも担うマルスからシステムを分離することができます。そうなると予約開始日も1か月前から6か月前や1年前に繰り上げることが可能です

もし座席予約開始日が繰り上がれば従来より割安な商品を発売することができるようになります。結果的に利用客にもメリットがあるのです。

また新幹線は航空機や高速バスと比べ1人当たりの燃料消費量が少なく、燃料の元となる原油も少なくて済みます。2022年より原油価格が高騰していますが、そもそもほとんどを輸入に頼っている原油を加工したガソリンなどの消費量が減らしたまま同じ経済活動(つまり今回の場合は移動)ができれば、日本経済全体にとって利益になります。新幹線と在来線の運賃を完全打ち切りにし座席予約開始日を早めることは、日本全体という視点で見てもメリットになるのです




今後の新幹線と在来線の運賃別算の動き

とはいえJR旅客各社もまだ新幹線と在来線の運賃別算をあきらめたわけではありません。

JR東海の説明会によれば、リニア中央新幹線は各駅にきっぷ窓口は設けず全てネット予約にすると明言しています

JR東海のネット予約はエクスプレス予約やスマートEXですから、リニア中央新幹線もそれらに類似したサービスになるでしょう。ただこれらのサービスは東京都区内や名古屋市内、大阪市内などの特定都区市内制度はないほか、在来線とは完全に運賃打ち切りです。つまりJR東海がリニア中央新幹線と在来線の運賃を完全打ち切り別算とするのは間違いありません

また、新幹線は指定席が多いですから、新幹線と在来線で運賃を別算とするのであれば全車指定席にしてしまった方が無難です。

JR東日本では2023年3月の上越新幹線E7系統一および最高速度275km/hへの引き上げ時または2024年3月以降の北陸新幹線敦賀延伸時、東海道山陽新幹線では22024年3月以降の東海道新幹線最高速度300km/h引き上げによる東海道新幹線内「のぞみ」料金値上げ時に普通車を全車指定席にする可能性があります。

もう乗継割引もだいぶ縮小していますから、この際に新幹線のチケットはネット予約と新幹線駅でしか発売しないとしてしまえばかなりの合理化ができます

もっとも定期券による新幹線乗車サービスに影響は出ますが、定期券利用時の特定料金として残すことは可能です。

またJRの通算運賃制度が複雑であるため、一部の労働組合がJR旅客運賃制度を簡素化しろと提起するほどにまでなっています。もっとも新幹線駅から在来線特急への乗り継ぎならまだしも、東京から北陸や秋田方面への一周乗車券をはじめとするみどりの窓口でしか発券できないようなきっぷの距離計算のために多数のシステムが必となってしまっています。

1%もいない通算きっぷ趣味者のために、99%の利用者に迷惑をかけてはならないのです。私も通算きっぷ趣味者ですが、枝葉は森全体を滅ぼし得るのです。森全体を守るためにも1%もいない枝葉は切り捨てられても仕方ないでしょう。

そもそも鉄道事業の根幹は、安全な大量輸送です。きっぷは金銭を収受するための仕組みであり、根幹ではありません。そんな中安全な輸送にできるだけ多くの人員を割き、安全とは関係のないきっぷの発券の人員を減らすのは至極当然なことでしょう。そしてきっぷの発券にかかわる人員をより多く減らすためには運賃制度の簡素化を図る必要があるのです。


結び

きっぷの発券にかかわる人員を減らすためには、JR旅客6社のきっぷのルールの簡素化が必須です。

またきっぷのルールの簡素化は鉄道会社勤務の労働組合からも上がっています。

新幹線と在来線の運賃切り分けは必須ではないでしょうか。

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