東京都内のバスでは2023年以降運賃の値上げが相次いでいる。今回はこれについて見ていく。
東京都23区内でバス運賃が250円にまで値上げへ!
東京23区内には都営バスのほかさまざまな民間バス、それぞれの区が運行しているコミュニティバスなどがある。
東京23区内では各系統ごとに運賃均一制となっておりどの距離を乗車しても一乗車あたり同じ運賃としているが、それぞれの会社ごとに運賃が異なっている。
2025年時点での東京23区内を走る主要なバス運賃は以下の通り。
社名 | 運賃 | 改定日 |
都営バス | 210円 | 2019年10月1日 |
京浜急行バス | 240円 | 2023年9月1日 |
東急バス | 250円 | 2025年10月1日 |
小田急バス | 250円 | 2025年10月1日 |
京王バス | 230円 | 2024年3月16日 |
関東バス | 230円 | 2024年3月1日 |
西武バス | 230円 | 2025年6月1日 |
国際興業バス | 240円 | 2025年10月1日 |
東武バス | 250円 | 2025年8月2日 |
京成バス | 240円 | 2025年3月1日 |
東京BRT | 250円 | 2025年10月1日 |
東京中心部の各区のコミュニティバス | 100円 | – |
2019年10月1日時点では東京23区内のバスは都営バスと京王バスが210円、それ以外の民営バスが220円であった。
が、2025年時点では民営バスは230円~250円としている。一方で都営バスだけが運賃210円を維持している。おかげさまで都営バスと民間バスの差が10円から20円~40円に広がっているのである。
安すぎる都営バスが民業圧迫疑い!
かくして2025年には東京23区内のバスは都営バスとそのほか民営バス会社との間で20円~40円もの差額が出ることとなってしまった。
東京23区内ではエリアによって都営バスや各民間バスの走行エリアがおおむね決められている。23区内において地域によってバス運賃が大きく異なるのは不平等すぎませんか?
また一部重複しているエリアでは民営バスより20円~40円も安い都営バスが走っていたら都営バスに乗ろうと思いませんか?そう考えると都営バスという官業が民間バスという民業を圧迫していると言えませんか?
同様の運賃差額問題は神奈川県川崎市内・横浜市内でも起きている。川崎市交通局や横浜市交通局のバスは均一220円なのに対し、民営バスは240円~250円としている。ただこちらは差額が20円~30円と都営バスとの差額より小さいほか、川崎市交通局は2022年10月1日に運賃を10円値上げし川崎市内民営バスも同じく10円値上げしたこと、横浜市交通局はバスの路線移管を積極的に進めていることからまだ民業圧迫とまでは言い切れない。が、都営バスは民間バス会社への路線譲渡も少ない一方で頃時のドル箱路線をいくつも寡占しているのである!民間バスの値上げの原因の1つは採算のある路線が少ないことなんだから儲かっているのなら民間バス会社に払い下げるべきではないか!
都営バスの民業圧迫を回避するためには
では都営バスを運営する東京都交通局による民業圧迫を防ぐにはどうしたら良いか。
まずは運賃の値上げ。2025年時点で210円のところ最低でも230円、230円各社も250円への値上げを見据えていることからせめて240円への値上げは必須と言えるだろう。合わせて一日乗車券都営まるごときっぷや京急・京王・つくばエクスプレスとの往復割引乗車券付き東京探索きっぷや東京1DAYパスの数十円値上げもお忘れなく。
さらに儲かっている路線を含めた民間バスへの移譲。東京BRTのように都営バスエリア内であるものの京成バスの子会社が運行するのだから、ほかの路線バスも移譲を進めるべきだろう。また民間バスの運営範囲と重複しかつ都営バス路線の方が収益性の高い路線を保有しているエリアではなおさらだ。営業所・支所単位でおおよそ杉並、北、千住、青戸、江東、江戸川、臨海、深川、有明は民間バスに払い下げるべきだろう。
結び
今回の2025年内東京23区内バス運賃改定では、都営バスと民営バスとの間の運賃差が10円から20円~40円に拡大し、都営交通の民業圧迫が疑われる。
今後東京都内のバスでどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。
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