JR時刻表が1375円に値上げ!JTB時刻表も1か月遅れで値上げ

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JR時刻表が1375円に値上げ!JTB時刻表は価格据え置き

交通新聞社はJR時刻表を2023年5月号(2023年4月20日発売分)より税込1,205円から1,375円に値上げすると公表した。今回はこれについて見ていく。

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JR時刻表が170円の値上げへ

今回の交通新聞社発行JR時刻表発売価格改定では、2023年5月号より税込1,205円から1,375円に引き上げる。

もっとも2014年4月と2019年10月の消費税率改定に伴う消費税増税分のみの価格転嫁は行ってきたが、本体価格は据え置いてきた。つまり今回の本体価格改定は2008年10月号以来となる。

交通新聞社では2018年以降各種時刻表の値上げを図っている。




2020年以降の交通新聞社発行の時刻表の価格改定は以下の通り。表は横スクロールできます。

交通新聞社冊子時刻表値上げ前後比較
時刻表冊子名 値上前価格 値上後価格 値上げ率 価格改定時期 備考
JR時刻表 1205円 1375円 14.1% 2023年4月20日
文字の大きな時刻表 1080円 1180円 9.3% 2022年9月20日 2019年5月25日に季刊化
コンパス時刻表 740円 900円 21.6% 2022年1月25日
2022年9月20日
小型全国時刻表 620円 事実上廃刊 2021年7月20日
マイライン東京時刻表 1100円 1375円 25.0% 2022年3月19日
2023年3月20日
2019年3月15日に年刊化
西日本時刻表 620円 748円 20.6% 2023年2月25日 2022年2月25日にページ数2割削減




このように見ると、月刊を貫くほかの冊子が概ね2割の値上げを行っているのに対しJR時刻表の値上げ率は14.1%にとどまっていることを考えると、まだ良心的と言えるだろう。

また採算の悪い(主要駅しか書いておらず使いにくいのに一番安いがゆえに手に取られやすいものの初心者に不向きだったので正直滅んでほしかった)小型全国時刻表は事実上の廃刊となったほか、文字の大きな時刻表も月刊から年4刊に、マイライン東京時刻表も月間から年1刊にそれぞれ減らしている。値上げよりもまずはダイヤ改正や臨時列車掲載などの売れる号だけにしぼって価格を維持しようとしている。

さらにコンパス時刻表は2022年内に2度も発行価格を改定しているほか、西日本時刻表に至っては掲載範囲を減らすことでページ数を減らした上にその後値上げまでしている。

なお年1回刊行になったマイライン東京時刻表は2021年は税込1,100円だったところ、2022年は1,200円に、2023年は1,375円に値上げしている。今回のJR時刻表の発行価格を1,375円としたのは、マイライン東京時刻表の価格と合わせるためだろう。

ただ値上げしたからと言って未来永劫の存続が決まったわけではない。JR時刻表は2020年度を以て日本雑誌協会の印刷部数公表から脱退しているので、今後廃刊も含めて検討している可能性はあるだろう。




JTB時刻表は価格据え置きへ

JTB時刻表はJR時刻表と並ぶ日本全国版大型時刻表であり、価格改定も同時に行ってきた。

2023年5月号よりJR時刻表が値上げすることからJTB時刻表も値上げするのかと思いきや、価格をこれまで通りの1,205円で据え置く。つまりほぼ同じ情報を掲載しているはずなのにJTB時刻表はJR時刻表より170円安く手に入ることになるのだ!

もっとも今回の値上げは原材料費の価格がどんどん上がっているためだが、中国が古紙パルプを大量に買うようになったのは2018年以降どんどん原材料費が値上げしている。トイレットペーパーに至っては2018年から2023年の5年間で価格が2.5倍にまで値上がりしている。

もっともJTB時刻表では用紙の統一化と多少のページ数削減を図ってはいるが、それでも1,100ページはあるので古紙の値上げには相当影響を受けているはずだ。JR時刻表も15%の値上げと言わずもっと値上げしてもおかしくはなかろうに。

そんな中JTB時刻表が価格を維持している理由は3つ。1つは単純に価格改定作業が遅れているだけ。ようは2023年6月以降に価格を上げる可能性がある。

2つ目はJR時刻表より安くすることでシェア回復を図る狙いがある点。1987年のJR時刻表創刊によりJTB時刻表は読者の半分をJR時刻表にもっていかれたが、JR時刻表だけが値上げしたことでシェアが回復する可能性はある。

そして3つ目が100年の節目終了後に廃刊にするのでもう値上げしないという選択をとった可能性があることである。

そもそも1ページあたり税抜1円は印刷原価を考えてもどう考えても赤字で、広告掲載も相当減った今JTB時刻表の発行は赤字と言わざるをえない。そんな中で値上げしないとなると、JTB時刻表は100周年が終わった後の廃刊を見据えているのではないだろうか

まあJR時刻表もJTB時刻表も毎年3月のダイヤ改正号や2月、6月、9月、11月の臨時列車掲載号が売れるわけで、今後維持していくためにも月刊から年4~5刊程度に減らしてでも維持すべきではないだろうか。

(2023.5.16 追記)なおJTB時刻表も2023年6月号(2023年5月25日発売分)より税込み1,205円から1,375円に値上げすると公表した。


結び

今回のJR時刻表の値上げは、原材料費高騰をほんの一部だけ反映した価格改定で、おそらく収益の改善はそこまで見込めない。

一方値上げせず価格を据え置いたJTB時刻表は100周年を終える2026年以降に廃刊する可能性が考えられる。

今後日本の冊子版時刻表がどのように変化し維持していくのか、見守ってゆきたい。

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