小田急電鉄は2021年8月15日、プレスリリースにて2022年10月1日に特急料金を改定すると公表した( 10月1日、特別急行料金を改定します )。今回はこれについて見ていく。
特急ロマンスカーでも料金値上げへ!
今回の2022年10月1日小田急電鉄料金改定では、特急料金を改定し、特急っロマンスカー利用料金を値上げする。
そもそも小田急特急ロマンスカーは箱根行楽目的の列車だったが、1980年代から朝夕の通勤着席保証列車に徐々に傾くようになり1996年以降展望席のない30000系EXEを多く投入したほか、1995年には特急料金を値上げした一方で2002年3月23日には10円~60円ながらも特急料金の値下げまで行ってきた。
そんな小田急電鉄が今回の2022年10月1日料金改定で特急料金を引き上げることとしたのである。
今回の特急料金改定は小田急全線で行う。
そもそも小田急特急ロマンスカーはどんなに長くても小田急線内は82.5kmまでしか運転区間がないのに、特急料金は7段階にも細分化されていた。JR旅客各社が特定特急料金を含めても3段階程度に収まることを考えれば明らかに多い。そこで今回の特急料金改定では特急料金区分を7段階から4段階に大きく再編することとした。
これまで特急ロマンスカーは料金の初乗りは310円であったが、今回の特急料金改定により500円に値上げする。また420円区間は500円に、520円区間と570円区間は650円に、630円区間と700円区間は750円にそれぞれ値上げする。
また新宿~小田原間の特急料金を910円から1,000円ちょうどに引き上げる。これに伴い新宿~箱根登山鉄道線箱根湯本間の特急料金も1,110円から1,200円に引き上げる。
なお値上げの救済としてチケットレス割引を導入、1枚当たり50円を値引くこととした。これによりチケットレス割引を使えば
同時に車内特急料金加算を310円から350円に引き上げる。
今回の特急料金改定は、4段階再編後の料金区分にて各料金内で高い料金に50円を足し、50円未満の端数を切り上げた料金を新しい特急料金としているようだ。
なぜ特急料金を改定したのか
ではなぜ小田急電鉄では特急料金を改定するに至ったのだろうか。
先述したように今回の改定後の特急料金は50円刻みとしている。これにより特急券発券時に10円玉を用意する数を大きく少なくすることができる。
今回のような10円玉の用意を少なくすることができる50円刻みへの特急料金改定は2016年7月2日西武鉄道特急料金改定や2022年4月1日JR九州特急料金改定、2022年4月25日京成電鉄特急料金改定でも行われている。
そもそも特急ロマンスカーのうち朝夕の着席保証列車需要の競合相手でったJR東日本東海道線「湘南ライナー」は2021年3月13日ダイヤ改正で特急「湘南」に格上げし料金を大きく値上げした。これにより「湘南ライナー」乗車整理券520円から特急「湘南」事前特急料金1,020円に500円も値上げしている。もっともえきねっとチケットレス割を使用すれば920円で利用できるが、そもそも普通運賃・定期運賃ともに小田急よりはるかに高いので料金が互角になっても小田急は勝てると踏んだのだろう。
もっとも特急ロマンスカー自体の利便性が上がっていれば料金値上げも受け入れてくれることが多いだろうが、前回の2022年3月12日小田急電鉄ダイヤ改正では特急ロマンスカーを多くの区間で微減し、展望席のある50000系VSEが定期列車から外すこととなった。
そう考えるとJR東日本の事実上の「湘南ライナー」値上げよりかはサービス自体が上がっている感じはあまりしない。
なお特急ロマンスカーが乗り入れる箱根登山鉄道は同日2022年10月1日に運賃改定を行い値上げを図るほか、小田急電鉄では2023年3月より鉄道駅バリアフリー料金制度導入に伴い全区間の普通運賃を10円値上げする。これにより新宿~小田原間はIC891円から901円に引き上げる見込みだ。
結び
今回の2022年10月1日小田急電鉄料金改定では、大幅な合理化を図るために特急料金区分を大きく減らし50円刻みとすることで全区間にて値上げを図ることとなった。
今後小田急電鉄でどのような料金設定やダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。
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